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2010年薬業界その他の主なニュース

2010年12月27日 (月)

 景気が低迷が続く中、政治も大迷走し、先行きが不透明なまま、年の瀬を迎えた。慌ただしい中にも、何かしっくりしない気持ちを抱えながら新年を迎えることになる。今年も、10大ニュース以外にも多くの出来事があった。業界団体では新会長選出や会長再任など、新たな執行部体制のもとで、数多くの課題に取り組んだのもその一つ。いくつかのトピックを取り上げ、今年1年を振り返ってみたい。

日薬、児玉会長を再任‐公益法人化などに意欲

 日本薬剤師会は2月28日、第72回臨時総会で任期満了に伴う役員改選を行い、次期会長に現職の児玉孝会長を賛成多数で再任した。

 再任を受け児玉氏は、薬剤師を取り巻く環境・課題として、6年制薬剤師の誕生、公益法人改革、政権交代後の対応などを挙げ、「今は、薬剤師にとって大変大きな変化の流れにあり、あらゆる職域の薬剤師が、何らかの不安を感じていると思う。難しい時期にある」とし、薬剤師をめぐる環境が大きく変化する中で、舵取りが難しい状況にあることを強調、会員の協力を求めた。

 また年末に今年1年を振り返り、「前半には参院選、5月以降は長期実務実習がスタート。当初心配していたが、総体的にうまくいっている。現在、マニフェストを基本に対応している最中だが、将来ビジョンなど、来年はいよいよ仕上げの年になる。公益法人への対応については、来年の総会に定款案を提示したい」とした。

製薬2団体のトップ交代

 5月に日本製薬団体連合会の新会長に庄田隆氏(第一三共会長)を選出。また、日本製薬工業協会の新会長に長谷川閑史氏(武田薬品社長)が就任した。任期はいずれも2年。庄田氏は、製薬協会長から横滑りで日薬連会長に就任した。4月から新薬価制度の試行導入があった一方、足元では薬事法違反事例が発生し、業界環境は厳しい局面を迎えている。

 日薬連の新会長に選出された庄田氏は、試行導入が決まった新薬価制度に言及。「次回改定で本格実施を目指す中には、医療上不可欠な基礎医薬品の加算という問題が積み残されている」と課題を挙げた上で、「恒久化に向けて努力していきたい」と抱負を語った。

 一方、製薬協の新会長に選出された長谷川氏は、総会で「業界を取り巻く環境は厳しい状況にあるが、微力ながら全力を尽くしたい」と語った。

「2010年問題」に直面‐主力品で大幅減収相次ぐ

 国内大手製薬企業は、主力品の米国特許切れが相次ぐ「2010年問題」に直面した。国内トップの武田薬品は、11年3月期中間決算で消化性潰瘍治療剤「ランソプラゾール」の売上高が約半減し、アステラス製薬も主力の免疫抑制剤「プログラフ」の売上高が約20%落ち込み、業績に大きなマイナス影響を及ぼした。エーザイもアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の米国特許が満了し、本格的な後発品攻勢にさらされるのは必至だ。

 さらに11年以降も、武田は大型製品の2型糖尿病治療剤「ピオグリタゾン」、高血圧治療剤「カンデサルタン」、エーザイは消化性潰瘍治療剤「パリエット/アシフェックス」の特許切れを控える。また、2010年問題の影響が少ない第一三共も、抗菌剤「レボフロキサシン」の特許が満了する。いずれもグローバル展開する大型製品だけに、各社とも本格的に厳しい時期を迎えることになる。

第16改正局方、来年4月から施行へ

 第16改正日本薬局方が来年3月末に官報告示、4月から施行される。10月に薬事食品衛生審議会が、改正案を了承した。5年振りの大幅改正となる。

 16局は、現在の15局を構成する「通則」「生薬総則」「製剤総則」「一般試験法」のうち、「通則」の「製剤総則」を全面改正することなどが柱。剤形の記載方法を改め、経口や注射、皮膚など11の投与経路別に分類した。また、医薬品の試験に「精製水」を用いることとされていた規定を、「水」に改め、試験に適した水の基準も設けた。

 16局は、▽保健医療上重要な医薬品の全面的収載▽最新の学問・技術の積極的導入による質的向上▽国際化の推進▽必要に応じた速やかな部分改正および行政によるその円滑な運用▽日本薬局方改正過程における透明性の確保および日本薬局方の普及――の五つの基本方針に基づいて作成された。

調剤医療費、6兆円に迫る‐薬剤料は30%を一気に突破

 厚生労働省が発表した、「2009年度医療費(概算医療費)の動向」によると、医療保険と公費負担を合わせた昨年度1年間の医療費は、対前年度比3・5%増の35・3兆円となり、7年連続で過去最高を更新した。このうち調剤は、投薬日数の増加や高薬価シフトにより、処方せん1枚当たり単価が6・3%、医薬分業の進展で処方せん受付枚数が1・5%伸び、トータルで7・9%増の5・9兆円となり、医療費総額に占めるシェアが前年度より0・7ポイント高い16・7%に拡大した。

 電算処理分の処方せん1枚当たり医療費は8034円で、初めて8000円台を超えて過去最高となった。

 一方、09年「社会医療診療行為別調査結果」では、薬局調剤と医科点数を合算して求めた薬剤料の比率が、前年より4・2%ポイント増え、33・2%となった。

 05年の28・7%から、微増と微減を繰り返し、横ばいの状態が続いていたが、一気に30%を突破した。

夏の参院選、藤井氏が当選‐3年前のリベンジ果たす

 7月11日に投票が行われた第22回参院選で、薬剤師、薬業界の統一候補として、自民党から比例区で出馬した藤井基之氏が、党内比例8位の14万5771票(暫定)を獲得し、2期目の当選を果たした。これにより参院に3年ぶりに薬剤師議員が戻ってきた。

 藤井氏は9年前に参院で初当選し、任期中に薬学教育6年制などに尽力したが、民主党が躍進した3年前の改選で、17万票の記名投票を得たにもかかわらず惜敗。その後、今年5月末まで15カ月をかけて全国の支援者を回り、さらに、選挙期間中に20都道府県をめぐって政策を訴え、見事に3年前のリベンジを果たした。

 児玉孝選挙対策本部長は、「筋を通すことを選ぼうと考えた。執行部だけでなく2回にわたる全国会議で議論し、その方針を貫こうと決めた。様々な動きがあった中、ブレずにいたからこそ、今日の勝利があった」と振り返った。

一般用漢方、年度内にも263処方に

 一般用漢方製剤の承認審査基準が、今年度内に263処方となる。旧来の213処方に加え、4月に23の基本処方と加減方が追加されると共に、8月の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会で、26基本処方と加減方1処方を追加することが了承された。

 一般用漢方製剤承認基準は、長年使用されてきた処方の中から、一般用医薬品として適当な210処方が、1972年に公表された承認審査内規をもとに、その成分・分量、用法・用量、効能・効果が決められていた。

 しかし、疾病構造の変化などに伴い、210処方の見直しが行われ、08年に新基準、いわゆる新210処方(実際は213処方)がまとめられた。

 処方の追加は、調査研究班(班長:合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)での検討結果をもとに、一般用医薬品部会の審議を経て行われる。合田班では、06年3月に新規に追加すべき候補処方として85処方を挙げている。

治験適正化で作業班を設置‐5カ年計画の見直し受けて

 厚生労働省研究開発振興課は、治験・臨床試験の充実に向け、▽コスト適正化▽共同審査委員会等の推進▽症例集積性向上▽治験実施プロセス改善――を検討する4グループから構成される、「治験等適正化作業班」を立ち上げた。

 「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会」が、今年1月にまとめた報告書で指摘した問題の、具体的な解決策を探ることが目的。現行の5カ年計画が終わった後の、2012年度末以降の判断材料を集める狙いもある。今年度末にも意見集約する。

 新たな治験活性化5カ年計画は、コスト・スピード・質の適正化を重要課題に位置づけているが、昨年度の中間評価によって、スピードは欧米と遜色のないレベルに達し、質も大きな問題がないことが確認された。

 ただ、コストについては低下傾向にあるものの、諸外国に比べると高い。特に、契約件数を実績が下回った場合に返金しない治験実施医療機関が散見され、中間見直し検討会は、「実績に基づく支払い方法、必要な業務に対する、より適正な算定方法とその透明性の確保」を求めていた。

ABSは一応の決着‐COP10

 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で名古屋議定書が採択され、派生物には実質的に利益配分を義務づけないなど、「遺伝資源の利用と利益配分」(ABS)の取り扱いが決着した。各国は今後、不正取得の監視機関の創設など、新ルールに沿って対応する。

 ABSの焦点は、▽規制対象▽不正取得の防止▽遡及適用――だった。
 規制の対象をめぐっては、伝統的知識が動植物や微生物といった遺伝資源と同列の位置づけになったが、どこまで利益配分を認めるかは、各国や当事者間の判断に委ねることになった。派生物については、天然抽出物と定義し、遺伝資源の利用の中に含まれるとの解釈を示した。

 ワクチンに用いる病原体は利益配分の対象に入れたが、人間や動植物に公衆衛生上の問題が発生する場合には、迅速な提供に配慮することで合意した。

ポイント付与、大きな問題に

 大手チェーン薬局などが実施しているサービスである、保険調剤の支払いに対するポイント付与が、問題となっている。日本薬剤師会や日本保険薬局協会は、「公的保険下にあり、競争原理はなじまない」「医療の質の低下、国民皆保険制度の崩壊につながる」と反対姿勢を示している。 一方、サービスを提供している薬局を会員に抱える日本チェーンドラッグストア協会は歯切れが悪い。「ポイント付与は否定しない」としながら、各社の冷静な対応を求めると共に、常任理事会やブロック総会などで会員と意見交換していくといった対応をとる。

 厚生労働省の解釈も、釈然としない。「一部負担金の減額に当たれば、健保法や療養担当規則に違反」としたが、負担金の減額の基準が不明確だ。




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