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【年頭所感】悪しき商習慣を改善し、トレーサビリティ推進‐日本医薬品卸業連合会会長 別所 芳樹

2011年1月4日 (火)

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 昨年は新型インフルエンザが終息し、ほっとしたところで、ワクチンの返品問題がございました。国からの返品要請は、1年前の担当者の苦労を考えますと、筋が通らない話しでありました。しかし、薬卸連に要請がきたときには既に、メーカーが応諾してしまっていたという余儀ない事情がございました。

 と申しましても、医薬品卸として、唯々諾々とこの要請を受け入れたわけではありません。「ワクチンを卸の配送担当者に優先的に接種していただきたい」「ワクチン接種は集団接種でお願いしたい」、あるいは「ワクチンの価格には返品に対する回収コストを織り込んでいただきたい」など、厚生労働省には様々な申し入れを行った上での、大所高所の観点からの応諾でありました。

 去る11月にも副会長の方々と、藤村厚生労働副大臣に、この三つのお願いをさせていただきました。さらに、新型インフルエンザ専門家会議作業部会に委員を派遣して、流通の立場に合った意見を出していきたいとも思っております。

 今後も新型インフルエンザ流行に限らず、地震や水害など、様々な災害における危機管理流通において、関係者が安心して役割を果たし続けられるよう、主張し続けてまいります。

 昨年は、試行的ながら新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度が導入されました。この制度はドラッグラグの解消や適応外薬等の早期上市と、国民医療に大きく貢献することのできる画期的な制度であり、薬卸連としても応援してまいりました。この制度と流通改善は車の両輪。従って、恒久化するかどうかは流通改善の進展に大きく影響されます。しかし、現状はと申しますと、価格妥決が遅々として進んでおりません。

 ここで今一度、昨年7月の流改懇の中で提言された「早期妥結のインセンティブ」「価値と価格の議論」について、流通当事者間で討議し、一定の方向性を見出していく必要があると思います。

 一方で、2年前の業界各社の決算が脳裏をよぎります。医療の一端を担う立場として、その役目を確実に果たし続けていくためにも、史上最悪といわれるような決算を、二度と繰り返すわけにはまいりません。

 昨年の上場各社の中間決算を見ますと、最悪の状況は脱しているようですが、未妥結先が多い中で、不透明な点が多いことも事実であります。

 大事なことは、引き続いてご理解いただくための「粘り強い交渉」を行うこと。そして、妥結が遅くなればなるほど有利になるような商習慣を、改善することに全力を傾けることではないかと思っております。

 トレーサビリティの推進については、医療用医薬品全てのロット・期限を含めた流通コードの、バーコード表示の実施に向けて、引き続き取り組んでまいります。昨年の流改懇の中でも、医療機関等の委員からは好意的な意見が出ておりましたが、実現に向けてメーカー団体と早急にスケジュールを立て、話し合いを深めたいと思います。

 実現にはメーカー・卸とも相応の初期投資を要しますが、長年の課題であったメーカーから卸、卸から医療機関という分断された流れが、一気通貫で管理できることになれば、販売の安全性だけでなく、回収というリスクに対しても有用なものになると確信をしております。

 日本の医薬品流通は、諸外国と比べて偽薬等の発生はなく、素晴らしいものですが、さらに信用を深め、全世界のお手本となる流通を目指していきたいと思っております。

 また、昨年はIFPW総会がソウルで開催され、日本から80人を越える方が参加しました。また、4人の方が日本の現状を発表され、中でも日本の卸の期待を背負って「日本の卸機能の国際比較」、日本卸特有のMS機能をエビデンスを持って世界にアピールしたクレコンリサーチ&コンサルティングの木村仁副社長の講演は、日本の医薬品卸にとって、世界への初めての主張でありました。

 今後も様々な角度から分析して、第二弾・第三弾のエビデンスの発表と共に、日本の卸の価値をさらに高めていきたいと思っております。

 一方、大衆薬に関しては、厚生労働省がセルフメディケーションの啓発と共に、スイッチOTC医薬品の普及促進を行っています。国民の医薬品に対するリスクを回避する意味では、薬剤師などの専門家による対面での情報提供はなくてはならないものです。薬卸連として、今後もネット販売は第3類医薬品に限定するという厚労省の見解に賛同して、取り組んでまいります。




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