
田村社長
日医工の田村友一社長は、14日に都内で記者会見し、今後の事業展開について、「サノフィ・アベンティスとの戦略的提携を進め、国内のジェネリック医薬品市場を開拓したい」との方針を語った。既にサノフィとの合弁会社「日医工サノフィ・アベンティス」では、昨年9月から睡眠障害改善剤「アモバン」を販売し、今月にはさらに抗生物質2剤を追加して、長期収載品を拡大。今年度は、新たな長期収載品の販売移管に向けた検討を進めながら、安価で高品質なジェネリック医薬品の共同開発を目指していく。田村氏は「まず、サノフィグループから原薬を調達し、GE薬の開発コスト削減に取り組んでいきたい」との意欲を示した。
日医工サノフィ・アベンティスでは昨年9月に、アモバンの販売をサノフィから移管。今月には、セフェム系抗生物質「セフォタックス」「ケイテン」の2剤も承継している。
今後、新たな長期収載品の販売移管に向けた検討を進めながら、サノフィグループが海外で販売中のGE薬を、国内で共同開発していく。田村氏は「高品質で安価なGE薬を投入するまでには時間がかかるが、その第一歩として、サノフィグループの原薬を調達するのが先決」とし、開発コストの削減を目指す考えを明らかにした。将来的には、バイオ後続品の開発も視野に、提携を進めていく方針だ。
一方、第5次中期経営計画の「ハニカム2012」で目標に掲げる「超品質」の達成に向け、今年10月に竣工予定の開発品質管理センター「ハニカム棟」や、経口剤の開発を手がける滑川第一工場「ペンタゴン棟」、日医工ファーマ愛知工場の3拠点を連携させ、生産能力・品質向上にも取り組む。これまで外部委託していた注射剤の製造についても、内製化を図り、さらなる利益確保や安定供給につなげていくことにしている。
また、東京大学との3年間の共同研究で、迅速に医薬品に関する情報収集を行う「医薬品品質システム」の開発も進行中で、田村氏は「契約最終年の来年には、成果を出したい」との意向を示した。