流通問題研究協会が調査会社インターワイヤードとマーケティングディレクションズと共同で行った「ドラッグストアの進化に関する意識調査」の結果によると、回答者の約3割が最もよく行くドラッグストアとして「マツモトキヨシ」を挙げた。2位の「サンドラッグ」の約3倍もの回答率となっており、“ドラッグストア・マツキヨ”の消費者への浸透度の強さがうかがえる。また、ドラッグストアはスーパー、コンビニエンスストアなど、他の小売業態と比べ、「品揃えがよい」「コストパフォーマンス」「商品が選びやすい」などの項目で、他業態よりも評価されてていることも分かった。
調査は06年12月507日にかけて実施。関東・関西の男女計2000人から回答を得たもの。
「最もよく行くドラッグストアチェーン」を尋ねたところ、トップは「マツモトキヨシ」29.0%。以下、「サンドラッグ」9.7%、「コクミン(ドラッグ)」5.8%、「ドラッグセガミ」3.9%、「ハック」3.8%、「セイジョー」3.2%、「ドラッグセイムス」3.2%などと続く。
2位のサンドラッグとトップのマツモトキヨシでは約3倍もの開きがあり、マツモトキヨシの浸透力が浮き彫りになった形。さらに、「その他」が30.7%もあることから、ドラッグストア業態のチェーンシェアは分散していることもうかがえる結果となっている。
ヘルシー&ビューティ商品について、ドラッグストアの中で興味のあることを尋ねた質問(複数回答)では、アンチエイジングがトップで31.2%。以下、生活習慣病27.9%、ダイエット26.0%、漢方22.3%、マッサージ20.4%‐‐などと続く。
しかし、これを男女別でみると、大きな差があった。男性では「特になし」が最も多く43.4%、以下「生活習慣病」28.0%、漢方が18.9%と続いているのに対し、女性は「アンチエイジング」が最も多く45.8%、以下「ダイエット」33.2%、「マッサージ」29.3%、「生活習慣病」27.9%となっており、女性はアンチエイジングやダイエット志向が強いことが分かった。
一方、「品揃えが良い」「商品が選びやすい」など、18項目の店舗・販売の特徴について、ドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店等の業態(販売チャネル)から当てはまるものを選ぶ質問をしたところ、ドラッグストアは「品揃えが良い」63.7%、「コストパフォーマンスが良い」60.7%、「商品が選びやすい」59.8%、「ふと立ち寄りたくなる」50.0%‐‐などの項目で他業態に比べ、高い数字となっており、日常生活の中で、ドラッグストアは欠かせない存在となっていた。
得られた結果から数量解析マップを作成すると、ヘルス&ビューティ・トイレタリー商品に関しては、ディスカウントストア、スーパー、コンビニはドラッグストアの中に含まれる形となり、ドラッグストアの勢いの強さを感じさせる結果となっていた。
今後、流通問題研究協会など3者は共同で「ドラッグストアの進化」についての市場調査・分析を行い、ドラッグストアに関わる企業に最適のドラッグストアチャネルのマーケティングソリューションを提供していく予定で、「ドラッグストア流通研究会(仮称)」を発足させることも計画している。なお、調査の詳細は4月中旬の流通問題研究協会の月例会で公表される。