「知名度向上」から「実績向上」へ

アラム氏
英国に本社を置きグローバル展開している、スペシャリスト人材紹介・派遣企業のロバート・ウォルターズ・ジャパン(デイビッド・スワン社長)は、日本に展開して11年目を迎えた。同社のカバーする専門領域は幅広いが、中でも医療機器・医薬・ヘルスケア領域では、外資系企業に抜群の強さを発揮している。英語のスキルを生かしたキャリアアップを、プロのチーム体制によって総合的にサポートできることが、他社との大きな差別化につながっている。医療機器・医薬・ヘルスケアチームマネジャーのマンズール・ウル・アラム氏は、「実績と知名度が上がってきたことを実感する。今後は、さらに実績を上げていくことが命題だ」と述べ、これまでに培ったノウハウをバネに、成長路線を目指す方針だ。アラム氏と、コンサルタントの吉村午良氏に最近の動きを聞いた。

吉村氏
ロバート・ウォルターズは、世界20カ国の主要都市に43オフィスを有し、従業員1600人で事業展開するグローバル企業。昨年から3カ国、4オフィスが増え、アジア(シンガポール)でも医療分野のサービス展開がスタートするなど、ビジネス全体が拡大している。特にヘルスケアチームは、社内で売上トップグループにある。「グローバル企業では、流暢な英語が必須と思われがちだが、必ずしもそうとは限らない。日本人コンサルタントもいるので、気軽に相談してほしい」と吉村氏。
アラム氏は、「昨年は、より多くの経験と知識が蓄積した1年だった。製薬分野においては確実に実績を上げることができ、英語を活用した臨床開発、グローバル試験、QA、RA、PMSなどに対して、トータルにサポートできる体制が整ったことは大きい」と、これまでの成果を振り返る。
また、これまで医療機器、医薬分野で実績を上げてきたが、新たな分野への挑戦意欲は高く、これからは動物薬と臨床検査薬・装置を扱う企業にも注力していく考えだ。獣医をはじめ、臨床検査技師などの幅広い人材・職種をカバーして、メーカーにも紹介できる体制になったほか、ヘルスケアチームには個々で強い分野を持っているコンサルタントも増員され、ニーズに沿った的確なアドバイスが可能となっている。
同社は、グローバル企業として海外ネットワークにも強く、海外企業からの知名度も高い。企業のトップが来日した際には、まず同社にコンタクトを取ることも多く、企業のグローバル化を支援できることは、他社にない強みと言える。
実際の紹介は、ジュニアからトップレベルまでの5段階の人材を取り揃えており、顧客の求める要望に柔軟に対応している。
アジアでの展開を加速させている同社だが、吉村氏は、「日本はアジアの中でも別格で、日本市場のニーズは高く、今後も注力していくエリア」だと強調する。採用企業とは営業や人事などの分野において、10年以上の関係を築いており、求職者には英文履歴書の書き方や、英語での面接試験へのアドバイスなどのサポートも提供している。「ヘルスケアチームの知名度も上がり、外資系企業が日本進出する際には、まず当社に相談される」と、確かなポジションを確立していることをアピールする。
アラム氏は、「日本の医療機器・医薬・ヘルスケア領域はまだまだ拡大の余地があり、これからも同業界に力を傾注していきたい」との考えを示すと共に、新たにビジネスチャンスを広げる準備をしていることも明らかにし、「今後は、さらに知識と経験を積み、実績を上げていきたい」と、成長に向けた意気込みを語った。
ロバート・ウォルターズ・ジャパン
http://www.robertwalters.co.jp/pickup/prof_health.html