日本医療機能評価機構は、「医療安全情報」2月号で、ワルファリンカリウムの内服状況や凝固機能の把握不足について、注意喚起している。
医療安全情報によると、2007年1月から10年末までの間に、内服量や凝固機能データを把握せずに観血的処置を行って、予期せぬ出血を誘発した事例が5件報告されている。このうち1件は、ワルファリンを内服していることも知らなかったという。
ある事例では、下肢静脈瘤の治療でワルファリン3mg/日を内服している舌腫瘍疑いのある患者に対し、電子カルテで凝固機能検査の値が「検査中」と表示されていたにもかかわらず、組織生検を実施した。その後、止血を確認後に帰宅させたが、3時間後に口腔内出血が発生し、救急外来に再来院した。
評価機構の総合評価部会は、抗凝固剤を使用中の患者の治療・処置の際は、日本循環器学会が公表している「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版)」などを参考にするよう呼びかけている。