
業務提携を締結して握手する三木田氏(左)と劉氏
Paltacは9日、中国での本格的なビジネス拡大を目指し、現地卸の上海長發豊源日化用品有限公司(以下、長發豊源/董事長兼総経理・劉国平氏)と戦略的な業務提携を締結した。ヘルス&ビューティのカテゴリーを網羅する専門卸同士の提携によって、中国での許認可をスムーズにすると共に、長發豊源の取引先2700社3万店舗と、中国経済圏の90%をカバーする物流ネットワークを駆使して、日本製品の販路拡大を進めていく方針。三木田國夫Paltac会長は、海外事業における現在の売上100億円を倍増、中国市場では3年程度で50億円を目指すほか、「今後、長發豊源との資金提携、合弁企業設立なども含め、いろいろと発展させていきたい」と、中国ビジネス拡大に意欲を示した。
今後のスケジュールとしては、4月上旬にメーカーを入れた3者契約を結び、4月下旬にも輸出を開始する予定となっている。
劉氏は、消費拡大を続ける中国市場において、日本製品の品質・安全性・ブランド力が高いことを説明すると共に、「100年の歴史を持つPaltacの商い精神と商品管理ノウハウを、謙虚に学んでいきたい。Paltacの物流システムは最先端だと思っている。広大な中国市場ではハイテク物流が必要で、学ぶことは多くある。高品質の日本製品を、成長著しい中国市場で販路拡大していきたい」と、提携によるシナジーに期待を寄せた。
三木田氏は、長發豊源を提携先に選んだことについて、「これまで中国で製品を販売する場合には、メーカーと地元代理店による単独提携が多かったが、当社が扱っているヘルス&ビューティの総合的なカテゴリー商品全般について、扱えるのは長發豊源だった。劉社長は、中国での偽物排除に尽力していると聞いており、信頼していることも要因だ」とした。
Paltacは、50年以上前から日本製化粧品や日用品等の輸出事業を展開しており、現在では東南アジアを中心に15カ国で取引している。今回の業務提携によって、一般的な貿易商社が行っている単なる商品の輸出入業務だけではなく、[1]現地の専門有力卸が対応して、小口配送、定番商品への商品育成[2]混載による少量小口輸出によるコスト削減、現地での在庫負担軽減[3]営業・情報サポートとして、販売データ分析業務、市場分析情報提供、合同展示会開催などの販促支援、ジャパニーズコーナー設置などの企画商談を展開‐‐というメリットを提供できるとしている。
上海、南京、武漢、重慶の各市政府と知勇国交通銀行によって、2003年に設立された長江経済聯合発展集団の1社である長發豊源は、日用品、化粧品、医薬部外品、健康品、家庭用クリーナーを主に取り扱う独占代理商(卸問屋)。従業員数は約550人で、10年12月期売上高見込みは60億3800万円。