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三共と第一製薬の医療用薬事業を統合して4月からスタートする第一三共は14日、2007年度009年度までの「第1期中期経営計画」を発表した。主力品のAII受容体拮抗(ARB)型降圧薬オルメサルタンを成長ドライバーに、米国を中心に海外事業の拡大に取り組む。それにより09年度には海外売上高比率を40%以上に引き上げ、売上高は06年度より約1800億円増の9600億円、営業利益率は25%以上を目指す。
同社はまず、日米欧事業強化(海外売上高比率60%以上)による目標売上高1・5兆円を掲げる2015年ビジョンを提示。今中計は、ビジョン達成に向けた成長基盤の拡充の期間と位置づけた。
そのため、統合シナジーを活用して[1]創薬力の強化とパイプラインの拡充[2]MR2300人体制による国内営業体制の構築[3]オルメサルタンなど主力品の販拡[4]要員適正化とグループ会社設立による業務効率化””に取り組む方針を示した。
営業利益率目標を達成するため、原価率の低減や要員の適正化、国内拠点の統廃合による販管費の低減を図る。削減分は、海外での研究開発、営業力強化への投資に振り分ける。
牽引役となるオルメサルタンは、中計中に世界売上高をほぼ倍増させ、2500億円以上を目指す。
国内事業では最終年度売上高を4700億円と設定。約2300億円をオルメサルタンなど循環器領域の製品で確保する。
研究開発では、血栓症、糖尿病、癌、自己免疫疾患、関節リウマチに重点的に投資し、世界トップクラスのパイプラインを目指すとした。
OTCなどを扱う第一三共ヘルスケアについては、OTCのみならず、機能性スキンケア、機能性食品にも取り組む方針。最終年度目標は売上高390億円、営業利益率10%以上を目指す。要員数は約25%削減すし390名体制とした。
中計を発表した庄田隆社長は、2015年に向けて「世界の主要地域に拠点を構えて自ら事業を展開し、革新的医薬品を継続して創出する企業を目指す」と強調した。