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【東日本大震災】日病薬の震災レポートから‐調剤機器使えず手作業で

2011年3月29日 (火)

 震災から2週間余りが経過したが、被災地ではまだ放射線と戦いながら必死に診療を続けており、薬剤部ではパソコン機器が使えないため、手作業による調剤が行われている。各地から多くのボランティアが集まり、被災地の活動を支えている。一方で、ボランティアに参加した薬剤師からは、混乱を極める現地で、活動を有効に生かすために、「病院薬剤師と開局薬剤師の連携」や、「持参する医薬品リストのデータ化などが必要」との声も寄せられている。25日までに日本病院薬剤師会に寄せられた活動報告をまとめた。

 福島県いわき市の舞子浜病院では、建物1階が海水につかり、患者は2階より上に避難した。同院および関連の老健施設、グループ病院の3施設は、いずれも大地震と津波の被害を受け、甚大な影響を受けた。職員は放射性物質から少しでも身を守るために、ビニール袋を頭から被って、毎日被災した職場に出勤しているという。市内の保険薬局が店舗を閉めており、院外処方の応需が止まったため、さらに混乱は深まった。

 調剤室は浸水し、オーダリング、分包機、薬袋プリンター、その他パソコン機器などほとんどが使えなくなったため、散薬や錠剤を全て人の手で薬包紙に包んで投薬を行っている状況。

 同じくいわき市のいわき市立総合磐城共立病院では、自主避難する職員もあり、スタッフが減少傾向にある中、40歳以下の職員にヨウ化カリウム丸を配布し、困難な中で外来診療を継続。しかし、院外処方せんやお薬手帳による調剤を求め、薬局窓口には患者が殺到している。情報伝達がうまくいかず、「薬がない」など誤った情報が伝わり、混乱を招くシーンもあったという。16日は外来受診患者を最優先に調剤したが、17日から近隣薬局が業務を再開し、院外処方が可能となった。しかし、保険薬局では患者待ち時間が4~5時間かかっている。

 南相馬や双葉郡、いわき沿岸部に住む原発事故や津波の避難者が、薬を求めて大勢来院している状況。薬剤師4人が、病院の正面でドラッグトリアージを実施し、持参薬鑑別を行っている。

 被災地には、数多くボランティアが集まっている。東京大学病院では内科医師、精神科医師、薬剤師、看護師、事務官の5人を1チームとして、石巻赤十字病院で支援活動を展開している。現地では、避難所の巡回のほか準夜勤シフト、トリアージ業務などを実施している。同病院では、日に1300枚程度の処方せんが出ているが、救護班に薬剤師が編成されていない医療チームでは、対応が困難という。応援に駆けつけた長野赤十字病院薬剤部からは、圧倒的な薬剤師不足の声が届いている。

 三重大学病院は、岩手県陸前高田市の仮設診療所で支援活動を続けている。同院の村木優一氏は、ボランティア活動の問題点も指摘。「支援チームが自分勝手な日程で、好きなことをして、好きなときに帰るような状況が見られ、被災した医療スタッフから、そうしたことを訴えられることもある」とする。

 ボランティア活動を真に有益なものにするために、支援のために持参する医薬品は、「必ずデータでリスト化して持って行くべき」と呼びかけている。また、各地区に開設される診療所の医薬品集を作るなど、後方支援も有効とした。陸前高田市周辺では、各診療所の院外処方に踏み切り、診療後に処方せんを収集し、一括して調剤した後、避難所に届けるといった仕組みを取っている。そのため「県薬と病薬の連携が非常に重要」ともした。




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