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【東日本大震災】大学の影響も大‐入学式・授業開始は延期

2011年03月29日 (火)

 東日本大震災の影響は薬系大学を含め、大学教育の現場にも大きな波紋を広げている。東北地方を中心に本紙が25日までに調べたところでは、大学によっては一部学生(在校生)との連絡が取れない、あるいは死亡を確認しているほか、4月上旬の入学式が1週間から1カ月、また授業の開始も同様にずれ込み、日程が決まっていない大学もある。また、建物崩壊など大きな被災は免れたようだが、安全点検のため月内の施設内立ち入り禁止や、入室制限が設けられている大学もある。

 原発事故で揺れる福島県内には、薬系大学として奥羽大学(郡山市)、いわき明星大学(いわき市)の2校があるが、両校とも建物の損傷はほとんどなかったという。

 太平洋側のいわき明星大学では、器機・機材等の被害、水道配管の損傷で、まだ断水が続いており、復旧は4月下旬になる模様だ。入学式は4月上旬に延期、授業も同程度延期する。また、一般3期入試(緊急対策入学試験、若干名)は、4月1日から中旬まで出願を受け付け、19日に試験を実施する。

 内陸側の奥羽大学では、窓ガラスの破損・ひび割れ程度の被災で、立ち入りは制限されていない。電気・水道等のインフラもほぼ正常に機能している。在学生は無事だった。入学式は4月上旬、授業も延期する。また、一般選抜4期入学試験(10人)の出願締切を4月1日に延期、試験も5日に実施する。

 仙台市の東北大学薬学研究科では、学生・教職員全員の無事が確認されているが、施設の一部損壊があるため入室は制限されている。電気は復旧しているが、ガスは停止、水道も若干問題があり、安全確認を急いでいる。入学式は中止となった。学部1、2年生は4月24日まで休講、6年生は研究室の状況によるが、概ね連休明けの5月9日からの授業再開を目指している。

 東北薬科大学では、在学生の無事を確認しているが、新入生については一部不明で調査中。また、国立大学の対応を受け、入学辞退届締切を延長した。入学式は4月25日に延期。授業開始も1カ月ずれ込み、5月9日を見込んでいる。

 盛岡市の岩手医科大学(薬学部)は、建物と人的損傷はわずかで、23日付で職員の自宅待機を解除。大学の機能は戻りつつある。入学式は4月28日に岩手県民会館で行い、新入生の授業開始は1カ月ほど遅れ5月9日から。2年生以上に関しては、4月初旬から順次行われる。

 青森市の青森大学薬学部では、大学全体で所在不明の学生が1人いるが、入学予定者の安否は捕捉し切れてない。また、2011年度AO入学試験を延期し、4月16日まで受け付け、随時、選抜試験を実施する。入学式は予定通り4月4日に行う。震災で入学式に出席できなかった学生については、別途行う。また、学内では近く義援金募金活動を開始する。

 一方関東では、栃木県大田原市の国際医療福祉大学(薬学部)が災害救助法適用地域に指定されている。16日以降、全校舎立ち入り禁止が続いており、月内は安全確認の作業が続けられる。在学生の一部で安否が確認できていないほか、入学予定者は確認途中。入学式は1週間ずれ込み、4月11日を予定している。新年度のオリエンテーション、授業開始も1週間ずれ込む。

 今回の災害に伴い、文部科学省では各大学に対し、受験機会の確保、入学手続きの延長、入学金・授業料の徴収猶予・減免等の要請(12日付)をしており、各薬系大学でも状況に応じて対応している。



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