
樋口社長
大塚ホールディングスは、2011~13年度の第一次中期経営計画を発表した。中計では、持続的な成長に向け、「医療関連事業」と「ニュートラシューティカルズ関連事業」の整備に、メドをつける3年間と位置づけ、13年度には売上高1兆3300億円、営業利益2000億円、純利益1300億円の目標を打ち出した。このうち、医療関連事業では、抗精神病薬「エビリファイ」の最大化、国内新薬事業、癌領域事業を成長ドライバーとして、中計最終年度となる13年度に、売上高8470億円、営業利益2000億円の達成を目指す。
医療関連事業では、今中計の売上増加分のうち、半分をエビリファイで達成したい考え。特に米国では、共同販促先の米ブリストルマイヤーズ・スクイブと、段階的に利益配分率が上昇する契約を締結しており、エビリファイの収益最大化を見込む。欧州や日本国内についても、適応拡大や剤形追加などのライフサイクルマネジメントを行うことで、製品価値を高める方針。
さらに、10年度から13年度に発売する国内新薬を、エビリファイに続く成長ドライバーに位置づける。抗てんかん薬「イーケプラ」や制吐剤「アロキシ」などの発売によって、国内新薬を10年度の140億円から約500億円までに引き上げる。
重点分野に位置づける癌領域では、代謝拮抗剤や分子標的薬のみならず、癌ワクチン、制吐剤や癌性疼痛などのサポーティブケア領域で品揃えを拡充し、開発を推進していく。
一方、NC関連では、ポカリスエットやSOYJOYなどのコアブランドのグローバル展開によって、海外売上高比率を高めると同時に、コスト削減を進め、営業利益率を高める。13年度には売上高3100億円、営業利益310億円の達成を目指す。
樋口達夫社長兼CEOは、16日に都内で開いた記者会見で、「エビリファイの特許失効もあるが、事業内容の変革に着手することで、次の成長につなげたい」と述べ、中計達成への意欲を示した。