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【イマチニブ】TDM+PGxで投与量個別化‐減量で副作用、医薬品費低減

2011年6月24日 (金)

 広島市で開かれた日本TDM学会学術大会のシンポジウム「薬理遺伝学(PGx)のTDMへの展開に必要なエッセンス」で、三浦昌朋氏(秋田大学病院薬剤部准教授)は、薬物血中濃度モニタリング(TDM)に加え、遺伝子多型を考慮することによって、経口分子標的薬イマチニブのきめ細かい投与量の個別化を行える可能性を示した。慢性骨髄性白血病(CML)の慢性期に対し通常は400mg/日を投与するが、ある遺伝子多型の患者には初回投与時から300mg/日を選択できる可能性があると話した。

 三浦氏は、薬物動態に関わる様々な因子のうちBCRP(Breast Cancer Resistance Protein:ABCG2)の遺伝子多型が、イマチニブの体内動態に影響を及ぼすことを示した。BCRPは、抗癌剤の胆汁排出に関わるトランスポーター。あるタイプのBCRP遺伝子の変異を持つCML患者では、イマチニブの血中トラフ濃度が、別のタイプに比べ有意に高かったという。

 イマチニブは通常400mg/日を投与するが、日本人において300mg/日の投与でも十分な効果を得られる患者が存在する。300mgの投与で済むなら、副作用の軽減に加え、通常は月当たり約38万円かかる医薬品費を約28万円に減らせるなど、様々なメリットがある。

 三浦氏は、イマチニブの投与前にBCRPの遺伝子多型を解析し、そのタイプに応じて初回投与量を300mgか400mgに設定するという治療戦略の可能性を提示した。

 さらに、血中濃度を1000ng/mL以上に保つ方が効果が高いと報告されているため、投与後はTDMを行いながら、この濃度を指標に増量や減量を行ったり、他の薬剤に変更したりすることが重要と語った。

 現在、日本血液学会が主導するCML患者の観察研究「新TARGET」の枠組みを活用すれば、外部の検査機関を通じイマチニブの血中濃度を測定できるが、三浦氏は「各施設のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)でも十分に測定可能」と強調。秋田大学病院では実際に、イマチニブなど各種分子標的薬のTDMをHPLCで行っている。

 三浦氏は「TDMに、PGxを加味することによって、きめ細かな薬物療法を実施できる」と述べた上で、「患者さんは、トラフ濃度をとても知りたがっている。イマチニブのTDMを各施設で実施すべき」と呼びかけた。

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