調剤薬局大手のアインファーマシーズは、NTTドコモ(以下ドコモ)と共同で、調剤情報などを薬局から直接、患者の携帯電話へ提供する「スマートフォンを用いた調剤情報提供の実験的取り組み」を開始した。実施薬局は、アイン薬局エキュート立川店(立川市)で、期間は10月14日まで。特に子どもの処方箋を持参する保護者など、最大80人に協力を依頼し、ドコモが端末を無料で貸し出す。
今回の取り組みは、薬局が調剤情報などを患者のスマートフォンへ提供する手法の有効性を確認し、課題を把握するのが目的。アインでは、ドコモの移動通信事業のノウハウと技術を活用し、「より高度な調剤情報提供サービスの検討を行うことで、患者にとってより身近な薬局となることを目指したい」としており、検証結果については、「学会発表などを行った上で、本格的な実用化を検討する予定」という。
患者は薬局の店頭で発行される調剤報酬明細書に印字されたQRコード、あるいは「Felica」(フェリカ、非接触ICカード技術方式)を利用して、調剤情報をスマートフォンに取り込むと、「お薬手帳」として薬の効用や用量・用法などをいつでも容易に確認でき、簡単なメモ書きも行える。薬局側も、来局後の患者に対して調剤薬に関連する「お知らせ」などを随時配信することで、患者へのアフターサポートを充実させることが可能。