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【医薬専門学校】大阪滋慶学園グループ

2011年07月29日 (金)

医療・福祉の変革時代に即応できる人材を養成‐日本で中国・中医薬大学大学院修士課程

 少子高齢社会の進行で、医療や福祉を取り巻く環境は刻一刻と変化し、既に保健・医療・福祉業界はボーダレスの変革の波にさらされている。その流動的な時代に即応できる人材育成が各方面で期待されている。大阪滋慶学園グループは、「実学教育」「人間教育」「国際教育」を建学理念として掲げ、マインドアイデンティティーの教育システムを確立。学生と教職員が「グローバル」な視野と高い志を持ち、「ローカル」で逞しい魂と行動を兼ね備えた人材育成を行う、高等職業教育機関としての「グローカル・カレッジ」を目指している。

 大阪滋慶学園グループの「大阪医療技術学園専門学校」「大阪ハイテクノロジー専門学校」「大阪保健福祉専門学校」「大阪医療福祉専門学校」「大阪医療看護専門学校」5校は、医療、バイオ、健康、福祉分野に関連する、多彩な学科やコースを設置。国家資格試験の高い合格率を背景に、各方面に2万人以上の卒業生を輩出する実績を持つ。さらには、米国や中国などに提携校を持つなど、グローバル戦略も展開。特に、めざましい経済発展を遂げている中国とは、1983年の交流開始以来、今日まで30年近くの間、教職員や学生との相互交流を図るなど、中国の高等職業教育にも、大きな貢献を果たしてきた。

専門学校の授業風景

 今後、医療現場で、活躍の幅を広げるため、医療資格プラスαの技術を持つ人材が求められる。大阪滋慶学園では、既に鍼灸師学科や柔道整復師学科などで、中国の提携校で解剖実習を行うなど、医療資格のための職業教育のグローバル化に向けた取り組みを進めている。このほか、保健・医療・福祉業界の動向を見据え、業界に新しい産業の職種が生まれることも視野に、ダブルライセンスという新しい時代の流れに向けた職業技術教育も徹底している。

 こうした実績を持つ大阪滋慶学園では、医療職従事者のため、中医学の本場である中国大学院の講義を日本で学べる取り組みとして、07年10月から鍼灸師、柔道整復師を対象とした上海中医薬大学大学院医科学修士課程を開講。さらに今秋からは、特に病院、診療所、薬局・薬店に勤務する薬剤師、登録販売者等を対象とした、廣州中医薬大学大学院修士課程の講座を開講する。グローバル化が進む東洋医学分野の中で、中医学分野を体系的に学び、修士号を取得することで薬剤師、登録販売者としての職能を、漢方領域で幅広く生かすことが期待できる。

上海中医薬大学大学院修士課程(鍼灸専攻・3年制)

 上海中医薬大学大学院医科学修士課程は、1956年に中国で初めて設立された中医高等学院の一つである上海中医薬大学の医科学修士課程が学べるプログラム。日本の鍼灸師、柔道整復師が対象で、これまでの経験の上に、さらに歴史ある中医学の医科学修士号を取得することで、中医学分野における職域に幅を持たせることができる。

上海中医薬大学大学院修士課程の授業の模様

 同講座は「国際中医師」「国際鍼灸師」の試験に向けた科目があり、資格取得の受験対策としても活用できる。講義は上海中医大学の講師が来日して行い、修士論文の指導も行う。カリキュラムは▽中医基礎理論研究▽中医診断学研究と応用▽中薬学▽方剤学▽中医応用兪穴学▽鍼灸学▽中医内科学▽鍼灸学研究進展▽科学研究の考え方と方法▽中医経典原著▽中医学術史▽中国語(HSK対応)▽鍼灸治療学▽関係法規▽学位論文――で編成されている。

 学費は1年次130万円、2年次110万円、3年次110万円。定員は20人。

廣州中医薬大学大学院修士課程(中薬専攻・3年制)

廣州中医薬大学

 廣州中医薬大学は上海中医薬大学と同じく中医高等学院の一つで、理系、文系の多くの学部を持つ総合大学。大学院の指導教官は1000人以上で、08年から広東省で初の中薬学修士革新拠点となっている。大学院修士課程では、日本でも人気の高い中薬(漢方薬)を専門的に学ぶ。薬局・薬店で漢方薬を提供する薬剤師、登録販売者の知識の向上、さらなる飛躍を開講の目的としている。中医学に基づく漢方薬の応用をはじめ、実践的理論の研究に役立つスキルや知識を習得し、修士学位取得を目指す。講師や修士論文指導も同大学院から講師が来日して行う。カリキュラムは▽中薬学▽方剤学▽中薬学専論▽中国概況▽中薬現代化と重要技術▽医学統計学▽中薬貿易

 学費は1年次100万円、2年次80万円、3年次80万円。定員は20人。

本格的な中薬・中医学を「修得」

 2大学の修士課程の大きな特徴は、日本で就労しながら、土、日、祝日などを活用して、本格的な東洋医学が学べる点。入学時に、卒業までの授業日程が分かるため、社会人で働きながら学ぶ人にとっても、予定を組みやすいプログラムとなっている。このほか、スキルを身につけるだけでなく、特別講演会や中国語講座など、役立つ講義が多数用意されている。もちろん講義は日本語同時通訳が行われる。

 その詳細な概要説明を行うオープンキャンパスがあす9日と30日、8月6日、27日の各土曜日に行われる予定である。

アジア全体の高度専門職業人を養成

滋慶医療経営管理研究センター‐キャリアアップのシンクタンク

 滋慶医療経営管理研究センターは、大阪滋慶学園グループの専門学校5校から輩出された卒業生を含め、医療・福祉業界に携わる人たちを対象に、さらなる能力開発などのキャリアアップを支援するシンクタンク部門として開設された。

 医療を取り巻く環境変化への対応として、新しい知識や技術の研鑽が必要になる。

 同センターでは、産学連携をベースに、人間性・創造性・積極性に富んだ即戦力となる高度専門職業人の育成に加え、社会変革に応じたキャリア開発支援プログラム(生涯教育)の提供と実践を行うことを目的としている。職業教育が成立するには、「社会環境」「業界環境」「教育環境」の三つを理解することが大切だといわれており、資格取得に向け専門学校で習った時点から、日を追うごとに変革する医療・福祉関連業界環境を、実践的に再学習することは意義がある。

 同センター組織としては、病院の中間管理職クラスの医療従事者に向けて、新たな医療技術や医療安全の知識、技術習得のセミナーのほか、▽柔整・鍼灸▽リハビリ▽接遇――などを、セミナー形式で提供する「滋慶医療管理学院」をはじめ、中国の中医薬大学大学院2校の講義(修士課程)のほか、中国大学からの短期研修の受け入れ、さらにはイギリスやアメリカの大学院の修士取得のカリキュラムも提供する予定の「滋慶医療国際教育学院」、職業教育教員セミナー、キャリアアドバイザー養成セミナー、国家資格講座(社会福祉士師・精神保健福祉士)、登録販売者受験講座などを提供する「滋慶キャリア教育学院」が設置されている。

アジア職業人材養成研究センター設立

 中国の大学との合併・合作のシステムとして設立したアジア職業人材養成研究センターは、職業人材養成に必要な学生研修や、大学教員研修支援を実施。医療支援のためのスタッフ(看護、臨床工学、リハビリ、医療情報技術ほか)を養成してきた。

 昨春、設置した留学生の生活・学習・就職・進学相談などを受ける、大阪滋慶留学生センターとも連携。今後、日本での医療国家資格取得を目指しながら、その技術をそれぞれの国で活用できるよう、アジア地域全体の医療従事者養成と、関連産業技術取得の支援を計画している。

 大阪滋慶学園の大学院・専門学校が各国で研修(技術指導)を行いつつ、学生の育成を行う。既に、臨床工学分野では、中国で実績があり、アジア全域でこの取り組みを進めている。

 今後は、アジア地域の産学連携によって、看護、リハビリ等の医療従事者の養成を検討するなど、アジアからの若い人材の受け入れなどの円滑化についても、貢献していく構えである。

 来年4月22日には「グローカル時代を迎えるアジアの臨床工学」をテーマに、第1回アジア臨床工学フォーラムを大阪市で開催する予定。さらに翌年は上海市での開催も計画している。

滋慶医療科学大学院大学が開校‐医療安全管理学初の修士育成

滋慶医療科学大学院大学の授業風景

 国内初の医療安全管理学の修士課程(医療管理学研究科)を設置した滋慶医療科学大学院大学(学長坂本幸哉氏)が開学した。医療管理学研究科は、医療安全管理学専攻を置き、医療安全管理学および、医療安全管理学の領域としての医療経営管理学の教育・研究指導を行い、医療の現場や医薬品、医療機器の開発、製造企業で、医療安全を実践する専門家や、人材養成に携わる教育・研究者を養成するもの。

 今年4月には、医師や看護師など医療現場経験のある25人が入学した。医療機関内には医療安全管理者の設置が義務づけられ、高度医療安全管理専門の人材養成が急がれている。

入学式の模様

 同大学院では医療事故の原因・対策を追究するだけでなく、医療の質の向上を目指した研究を進める「医療安全管理部門」と、医療安全の確保を基礎とした医療経営の改善、向上を目指す「医療経営管理部門」のエキスパートを養成する。医療安全管理学の修士号を取得すれば、病院や企業の組織を支援・指導・統括する専門家としての活躍が期待される。さらに、他の大学院博士後期課程へ進学することも可能だ。

 授業は火曜日から金曜日の夜間と土曜日の昼間に行われる。2年以上在学(長期履修は4年まで可)し、必要な単位を修得し、研究指導を受けて修士論文を作成し、その審査や最終試験に合格すると修士(医療安全学)の学位が授与される。大卒者を対象とした一般選抜入学試験と、既卒者を対象とした社会人選抜入学試験がある。出願資格は4年制大学卒業が要件だが、短期大学や専門学校を卒業して実務経験などを有し、大卒と同等の能力を有すると個別に認定した場合は、受験を認めている。

大阪滋慶学園

滋慶医療科学大学院大学
http://www.ghsj.ac.jp/
滋慶医療経営管理研究センター
http://www.jrhm.jikei.com/
大阪医療技術学園専門学校
http://www.ocmt.ac.jp/
大阪ハイテクノロジー専門学校
http://www.osaka-hightech.ac.jp/
大阪保健福祉専門学校
http://www.ochw.ac.jp/
大阪医療福祉専門学校
http://www.ocmw.ac.jp/
大阪医療看護専門学校
http://www.ocmn.ac.jp/



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