塩野義製薬は、創薬研究の新しい中核施設となる研究所新棟の竣工式を4日に開いた。新棟は2008年9月から、大阪府豊中市の研究所敷地内で建設が進められていた。新棟竣工に伴い塩野義では、現在、大阪府と滋賀県の4箇所に分散している国内の創薬研究機能を、新棟と既存3棟で構成する医薬研究センター(SPRC)に集結。組織連携を強化して、世界トップクラスの研究生産性の実現を目指すことにしている。
新棟の完成に伴って、従来の医科学研究所(摂津工場内)、中央研究所(大阪市福島区)は閉鎖する。ただ、油日ラボラトリーズについては一部研究機能を残す。
完成した新棟は、最新の実験機器をはじめ、多機能化する情報環境に対応する設備を取り入れ、国内最高水準の創薬研究施設となっている。新棟の概要は、敷地面積3万4628m2、建築面積9800m2、延床面積約4万4000m2、地上5階建て、総工費189億円。
環境面への配慮や、研究者間の交流や相互連携を活発化させ、創造力や柔軟な発想を促すレイアウトを採用するなど、様々な工夫がなされている。
手代木功社長は、「われわれの持てる創薬研究機能を結集した研究所は、塩野義が10年後も20年後も成長を続け、その存在感をさらに大きなものとする礎になると期待している」と強調。「『より良い薬を大阪から、世界へ』という熱い想いを胸に、SPRCから画期的な新薬の創出を目指したい」としている。