中外製薬は、スイスのロシュが欧米で申請中のBRAF阻害剤「ベムラフェニブ」について、国内独占的開発・販売権を取得した。来年には、BRAF変異陽性の転移性悪性黒色腫患者を対象とした国内治験に着手する予定。
ベムラフェニブは、第一三共米子会社のプレキシコンが創製したBRAF阻害剤。プレキシコンとロシュが共同開発を進め、ロシュが5月に欧州・米国当局に対し、BRAF・V600変異陽性の転移性悪性黒色腫を適応に、承認申請を行った。現在、BRAF遺伝子変異を調べるコンパニオン診断薬の同時開発を進めており、個別化医療への対応も目指している。
中外は、ベムラフェニブを導入することで、癌領域で製品ポートフォリオの強化を図る。来年には、BRAF変異陽性の転移性悪性黒色腫患者を対象とした第Ⅰ相試験を開始する予定。また、BRAF変異のあるその他の癌腫についても、ロシュが進める臨床試験の進捗状況を見ながら、開発を検討する方針。
なお、中外は、ベムラフェニブの導入対価として、ロシュにマイルストンを支払う。