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【厚科審部会】薬事法改正で合意事項を提示‐安全対策や創薬等を優遇

2011年09月21日 (水)

 厚生労働省は16日、厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会へ、概ね合意が得られた薬事法等の改正事項を提出した。いわゆるコンパッショネートユース(CU)の導入や、医療上の必要性が特に高い医薬品・医療機器を開発した企業に対する優遇措置の新設を明記した。再審査制度による随時評価や承認条件の市販後付与を可能にすることも盛り込んだ。添付文書の位置づけと医薬品等監視・評価の第三者組織は、議論の深ぼりを部会に求めた。

 厚労省は改正事項を、[1]関係者の安全対策への取り組みの促進[2]医療上必要性の高い医薬品等の迅速な承認等[3]医薬品等監視の強化――の視点で整理した。

 安全対策をめぐっては、薬事法の目的規定に「健康被害の発生・拡大防止の理念」を書き込むほか、国・地方自治体・関係事業者の責務、医薬品の使用者の役割、医療提供者が患者へリスク情報を提供する責務を明確化することとした。

 再審査制度は、再審査期間終了を待たずに適時評価したり、新薬以外でも特にリスクが高ければ評価対象とするよう見直す。

 副作用の報告先は医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ一元化する。また、問題が発生した場合の回収の漏れや遅延を防ぐため、回収状況に応じて適切に指導できることを規定する。

 添付文書の取り扱いは、記載内容に企業が第一次的な責任を負うことは明確にしたが、焦点の国の関与については、承認制度の対象にする場合と、企業への届け出義務を課して、国が確認する場合の長所・短所を提示すにとどめた。

 監視・評価組織は、審議会などの「8条委員会として考えざるを得ない」とした上で、設置場所の検討を優先課題に挙げた。

 迅速承認の観点からは、企業の優遇措置として、医療上の必要性があるにもかかわらず、開発が進みにくい医薬品等の承認を取得した場合に、他の品目に対する優先審査権を与える方向性を示した。患者数が特に少ない希少疾病用医薬品の開発環境も整備する。

 CU制度の導入は、致死的な疾患や日常生活に著しい支障がある疾患で、代替治療がないなど、医療上の必要性が高いにもかかわらず治験に参加できない患者が、医薬品・医療機器へアクセスできる規定を設けて対応する。

 このほか、医薬品医療機器総合機構法にレギュラトリーサイエンスをPMDAの業務として明示する。

 監視強化の観点では、GMP/QMS調査を都道府県とPMDAが協力して実施するために政令を改正する。また、麻薬取締官が指定薬物の取締を行えるようにする。

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