エーザイは6日(英国時間)、英国・ロンドン北部の「ハットフィールド・ビジネスパーク」内に、創薬研究、開発、生産、欧州統括の全機能を集結させる「欧州ナレッジセンター」の建設に着手した。2008年度の稼働を目指す。国際事業戦略の強化の一環で、欧州地域の事業拡大に向けた拠点となる。投資額は200億円に上る。
同センターは欧州事業の中心的役割を担うもので、約1.8万坪の区画を確保。先行して1日(同)には生産子会社を設立したほか、欧州統括子会社、臨床研究・販売子会社を順次移転、創薬研究拠点も設立する。現在ロンドンに設けられている販売・事業統括拠点の要員を300人増やし、500人体制で運営する計画だ。
先行して設立された生産子会社は「エーザイ・マニュファクチャリング・リミテッド」(ELM)。欧州統括会社の子会社で、欧州地域への安定供給と品質保証を図るのが狙い。11年度には70人体制で操業する。
今後、製造設備の建設を進め、08年度には、現在製造委託しているアルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」、抗てんかん薬「ゾネグラン」の包装を開始。09年度には「アリセプト」と、今年度中に申請予定で大型化を期待する抗パーキンソン病薬「E2007」の製剤生産を計画している。
同社は、日米欧亜のバランスのとれた事業戦略を進めようとしており、11年度までの中期計画では、欧州地域での売上高を年平均21%の成長を見込み、1400億円を目標に置いている。