◆このほど開かれた日本腎と薬剤研究会学術大会で、リン吸着剤である炭酸ランタンのチュアブル錠を適切に服用できていなかった症例が、2施設の病院薬剤師から報告された。いずれの症例も、噛み砕いて服用せず、錠剤がその形状を保ったまま、腸管や気管支内に残っていたという
◆1例目は、転倒し足の痛みを訴えた透析患者だった。骨折確認のためX線で撮影したところ、10mm大の残像が14個、写っていた。粉砕投与から錠剤そのままでの投与に変わったことを、患者が認識できていなかったからだという
◆2例目は、リハビリ目的で転院してきた慢性腎不全患者。入院時の胸部X線画像にボタン電池様の陰影を確認。気管支内から炭酸ランタン錠を除去した
◆チュアブル錠の同剤は、そのまま服用すると溶けにくく、噛み砕いて服用する必要がある。患者がそのことを理解できるように十分な説明が欠かせない。噛み砕くのが難しいのなら粉砕して投与する。薬をうまく使って、こうした事例の再発を防ぐことは、薬剤師の職責だ。
チュアブル錠の注意点
2011年10月03日 (月)
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