日本薬剤師会の東日本大震災復興祈念式典・シンポジウムが9日、仙台市の江陽グランドホテルで開催された。式典には小宮山洋子厚生労働大臣が出席、日薬等による被災地への薬剤師派遣、お薬手帳の活用などの実績を評価し「献身的、迅速な行動に感銘を受け、心からお礼申し上げます。また復興には、現地の声に耳を傾け、しっかり進めたい」とし、薬剤師活動への感謝の意を表すと共に、地域事情に配慮した医療提供体制の整備に意欲を見せた。
式典では黙祷に続き主催者を代表して児玉孝日薬会長があいさつに立ち、「復興への道はまだ途中だが、今までの課題を早く整理し、より良いよい救護活動を進めたい。その思いで敢えて開催した」と、シンポジウム開催の意図を紹介、さらなる支援活動に注力する意向を示した。また、被災県代表として畑澤博巳岩手県薬会長、生出泉太郎宮城県薬会長、櫻井英夫福島県薬会長から、多くの支援に対して感謝の言葉が述べられた。
来賓には、小宮山大臣のほか三浦秀一宮城県副知事(村井嘉浩宮城県知事代理)、羽生田俊日本医師会副会長らも出席。小宮山氏は「被災地での医療提供体制の復興にはまだ課題は多い。被災地の皆さんと医療の復興に努めたい」とした上で、引き続く支援と協力を求めた。
羽生田氏は、1400チーム延べ6000人が参加したJMATのうち1割が薬剤師だったとし、「多くのチームからの報告で、普段使い慣れない薬を選別し、医師にきちんとした指示を出してもらい感謝しているとの声が届いている」と、薬剤師支援を評価した。今後は「心のケア」への対応が重要とし、改めて現場薬剤師の活躍に期待を示した。
また、支援活動に参加した延べ8000人を超える薬剤師を代表し徳島県の玉田正夫氏、100を超える支援団体・企業のうち小田島、バイタルネット、ユヤマ、高園産業、大日本住友製薬、福島県医薬品卸組合に、児玉日薬会長から感謝状が贈呈された。