MR6万人時代に突入した。
先月まとめられた2011年版「MR白書―MRの実態および教育研修の変動」(11年4~6月、対象205社:製薬企業193社、CSO12社/回収率100%)によると、10年度のMR業務就業者数は前年度から1534人増加して6万1246人となった。調査を開始した00年度には4万9212人であったので、10年間で1万人以上増えたことになる。総数のうちMR認定証取得者は5万8121人で取得率は95%に達する。
最近の目立つ特徴としては、女性MRとCSO所属MRが増加していることだ。女性MRは、00年度に2000人程度だったのが10年度には8000人に届く勢いだから、ほぼ4倍という増え方である。対前年度比では男性の2.1ポイント増に対し、女性は5.7ポイント増とその差が顕著に現れている。なお、女性MRを採用している企業は139社、67.8%に及んでいる。
MR業務受託・派遣企業であるCSOに所属するMR数は2932人(構成比4.8%)で、内資製薬企業3万6440人(59.5%)、外資製薬企業2万1874人(35.7%)に比べると圧倒的に少ないが、伸び率は内資の2.2ポイント、外資0.9ポイントに比べて23.5ポイントと二桁増となっており、MR認定センターが白書の中で「CSOの積極的な規模拡大が注目される」とコメントするほどだ。
加盟団体別では日本製薬工業協会(61社)が4万6856人(76.5%)と4分の3以上を占め、日本ジェネリック製薬協会(34社)は3577人(5.8%)、その他の企業(102社)8783人(14.3%)となっている。伸び率では特にその他の企業で34.7%と大きく増加しているが、これはジェネリック関連企業1社と卸関連企業1社の大幅な増員が要因。
白書ではそのほか、平均年齢と経験年数の上昇が示されているが、女性MRの就業年数が長くなっていることを特徴の一つとして取り上げている。認定センターではこれらの傾向から、「女性MRが職業として定着し、活躍していることを示している。その背景には結婚・妊娠・出産・育児など女性のワークライフバランスを意識した各社のMR支援制度導入・強化が挙げられる」との見解である。
そしてつい先日、新しいテキストもできあがった。MR認定制度導入から10年以上経過したことを機に、導入教育の基礎教育コアカリキュラムを制定して、来年度からの施行に合わせてテキストを一新した。また、それに伴って認定試験の試験科目も変更される予定だ。
来年12年は、日本にMRが誕生して100周年に当たる。存在意義・あり方から教育研修、就業スタイルなど、MRは100年という節目を迎え、大きな変化に直面していることは確かだ。