厚生科学審議会疾病対策部会の難病対策委員会が、希少・難治性疾患を幅広く公平に医療費助成の対象とすることを求める方向性を打ち出している。同委員会では、医療費助成について、法制化も視野に入れた検討を進めるほか、治療研究の推進、医療体制の整備なを盛り込んだ議論の中間整理をまとめた。辻泰弘厚生労働副大臣を座長とする「新たな難治性疾患対策のあり方検討チーム」でも、委員会の中間整理に沿った形で省を上げて取り組んでいくことを確認している。
中間整理では、難病対策の課題として、▽医療費助成・研究事業の対象疾患が限られており、不公平感がある▽患者が助成を受けられるように医師の診断が甘くなる傾向がある▽医療費助成の総事業費が増加し、都道府県の超過負担が増大している――ことなどを挙げた。
また、医療保険制度に上乗せされる他の公費負担医療制度との均衡が図られているかどうかの検討が必要なことや、研究の推進から就労支援までを含めた総合的・包括的な施策が求められている点も指摘している。
課題を踏まえた今後の見直しの方向性では、医療費助成について、事業の公正性、他制度との均衡、制度の安定性を確保する観点に立ち、法制化も視野に入れて希少・難治性疾患を幅広く公平に助成の対象にする方向で検討するとした。
また、希少・難治性疾患の特性を踏まえ、治療研究の推進、医療体制の整備、国民への普及啓発、福祉サービスの充実、就労支援などをはじめとした総合的・包括的な施策の実施や支援の仕組みを検討することも盛り込んだ。