スイスのロシュは、ドイツで血小板機能検査システムの開発・販売を手がける「ベラム・ディアグノスティカ」を買収すると発表した。買収額は総額1300万ユーロ(約13億6000万円)で、来年1月中に手続きを完了する予定。ロシュは、血小板機能検査で実績のあるベラムを完全子会社化し、血液凝固診断分野の製品ラインナップの強化を図る。
今回の買収により、ロシュはベラムの株主に対して1100万ユーロ、マイルストン達成時には追加で200万ユーロを支払う。
ベラムは、血液凝固診断の第一段階で用いる血小板機能検査のリーディングカンパニー。全血から血小板機能を検査する「マルチプレートシステム」を提供し、2011年の売上高は約390万ユーロとなる見込み。
ロシュは、止血に関連する血液凝固能検査では実績がある一方、血液の凝集能をみる血小板機能検査に関しては、販売製品を持っていなかった。ベラムを買収することで、血小板機能検査の製品群を獲得し、血液凝固診断分野でシェア拡大を目指す。
今後、ベラム社は、生化学・免疫検査・血液凝固検査分野を扱うプロフェッショナル・ダイアグノスティックス事業部に統合される予定。