小宮山厚生労働相と安住財務相は20日午後、診療報酬改定率をめぐる大臣折衝を行った。厚労側が診療報酬本体と薬価・材料価格を合わせた全体の「ネットプラス」を主張したのに対し、財務側はゼロ回答で、長期収載品薬価の取り扱いも、厚労側は大幅な追加引き下げを回避したい意向を示したが、受け入れられなかった。
小宮山氏は折衝後、記者団に「全く平行線で合意した点はない」と語った。
改定率をめぐっては、市場実勢価格に基づく薬価改定によって医療費ベースで1・3%の引き下げが規定路線になっている。さらに、財務省は12月9日の政務折衝で、本体の1%引き下げや長期収載品の10%追加引き下げによって深掘りする案を厚労省に提示している。
一方、ネットプラス改定を目指す厚労省は、この日の大臣折衝で小宮山氏から、小児科・産科・外科・救急などの医療提供体制を維持するために、ネットで0・19%引き上げた前回並の対応が必要だと説明した。
長期収載品の薬価については、財務省が提案する下げ幅を容認できない考えを伝え、「製薬業界は自動車や家電と比べても担税力がある。(薬価を下げて)そういうところを潰してどうなるという話をした」(小宮山氏談)という。