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【年頭所感】他力から“自力本願”へ脱却‐日本薬剤師会‐

2012年1月2日 (月)

日本薬剤師会会長 児玉 孝

 昨年は、東日本大震災という未曾有の災害が発生し、それに対して、被災地への救援活動等にご支援・ご協力をいただきましたことに、改めて感謝申し上げます。何より、結果として災害医療おける薬剤師の役割が、社会的に再認識されたことは薬剤師職能の向上にとって意義があったと思います。

 一方、本年はいよいよ6年制薬剤師が社会に出てまいります。彼らは、初めての長期実務実習で薬局・病院等で指導を受けた新薬剤師たちです。薬剤師の将来を担う彼らに期待をすると共に、私ども各職域の先輩薬剤師が暖かく迎え入れ、今度は社会人の薬剤師として、実習時と同じように指導をしていきたいと考えております。

 さて、本年も薬剤師に関わる多くの改正があります。その中で、特に薬剤師に関わる重要な課題を時系列的にお示しします。

 [1]2012年度診療報酬・調剤報酬改定

 今回は、震災復興という財源のない中での非常に厳しい改定となりました。そのような状況下でのキーワードは、目に見える形での患者サービスへの評価です。

 [2]社会保障と税の一体改革(今年度通常国会提出予定)

 25年を目標として、少子超高齢化社会に対応する社会保障制度の見直しと、その長期安定財源としての消費税の引き上げが骨子となっております。

 [3]チーム医療

 もともとは、医師不足対策からの問題で、現行法律下において、薬剤師、看護師等の業務を拡大するのが基本でありましたが、中途から“特定看護師”(仮称)の法制化という議論が出てきました。将来を考える上で、チーム医療の議論は必要と考えていますが、看護業務の“法制化”を議論するのであれば医療安全の観点から、また責任分担を明確にする意味でも、薬剤師も含めた関係医療職種全体の業務の法制化議論をすべきと考えております。

 [4]地域医療計画の見直し

 超高齢社会を迎えての地域医療(在宅医療)への開局・病院薬剤師の参画、医療提供施設としての薬局の役割はキーワードとなります。

 [5]公益法人の見直し

 4月1日をもって日本薬剤師会は公益社団法人として、新たにスタートいたします。その目的は、将来を見据えてのオール薬剤師の会としての組織改革です。すべての職域の薬剤師が加入できる、また、将来を担う薬学生が学生会員として加入しやすい環境づくりを目指し、会員増強につなげていきたいと考えております。

 [6]薬事法改正の経過措置終了

 5月31日をもって薬事法改正の経過措置期間(3年間)が終了します。また、6月1日からは、正式な薬事監視の重点項目になる可能性もあります。薬事法違反は許されません。キーワードは、直接対面による薬剤師としての説明、特に第1類は文書による説明が不可欠です。

 これらの共通点は、超高齢社会に向かっての医療体制再整備であり、そのポイントは地域医療提供体制の構築です。それに伴う、一般薬を含む、全ての医薬品の供給において、薬剤師に対する期待を裏切るわけにはいきません。

 そのためには、医薬分業支援体制中心から、地域(在宅)医療支援体制づくり中心へ、都道府県薬剤師会・地域薬剤師会の組織強化が不可欠です。

 そして何より、全ての職域の薬剤師一人ひとりの覚悟と実行力が問われる年であると思います。そして、他力本願から“自力本願”へ脱却する必要があります。

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