厚生労働大臣 小宮山 洋子

今年も「国民の生活が第一」という考え方のもと、スピード感を意識しながら、数多くの課題を抱える厚生労働行政の陣頭指揮に当たります。
まず、未曾有の災害となった東日本大震災に関し、被災地の復旧や、将来を見据えた復興に向け、仮設住宅の居住環境の改善、医療や介護、子育て支援、雇用の確保、東京電力福島第一原発事故への対応などを進めていきます。
社会保障と税の一体改革を進めていきます。
「社会保障・税一体改革素案」では、社会保障を「全世代対応型」へと転換し、総合的な子ども・子育て支援を進めることや、地域の実情に応じた質の高い医療・介護サービスを効率的に提供することなどにより、社会保障機能を強化し、現役世代も含めた全ての人がより受益を実感できる社会保障制度を再構築することを目指しています。
医療制度については、急性期をはじめとする医療機能の強化、病院・病床機能の役割分担・連携の推進、在宅医療の充実などを内容とする医療サービス提供体制の改革を行います。
このほか、研究開発の推進、臨床研究・治験の活性化などを通じて、日本発の革新的な医薬品・医療機器等を創出することにより、健康長寿社会を実現すると共に、国際競争力強化による経済成長に貢献するための「医療イノベーション」の推進に取り組んでいきます。
医療保険については、「社会保障・税一体改革素案」を踏まえ、セーフティネットとしての機能の強化を進めながら、運営を効率化し、国民の信頼に応えられる制度を構築していきます。
また、国民の安全と安心を確保し、健康の増進や生活の質の向上に取り組んでいきます。
有効で安全な医薬品・医療機器をより早く国民の皆様に提供できるよう、承認審査の迅速化(いわゆるドラッグラグ・デバイスラグの解消)、承認審査体制の強化、国際共同治験への対応強化のほか、未承認薬・適応外薬の解消などに取り組んでいきます。また、安全対策を充実・強化するための取り組みも積極的に進めます。
献血等の血液事業や医療機関での血液製剤の適正使用の推進に取り組むほか、薬物乱用防止の啓発活動や取り締まり強化を推進します。
医療の担い手としての薬剤師の資質向上や、新しい一般用医薬品の販売制度の定着に、より一層取り組みます。