文部科学省の「薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会」(座長:市川厚・武庫川女子大薬学部長)では、新コアカリから「薬剤師として求められる基本的な資質」を新たに明示する方向で議論が進んでいる。
医・歯学生が卒業までに最低限履修すべき教育内容をまとめた「医学教育モデル・コアカリキュラム」は、「医師として求められる基本的な資質」が明示され、それらを踏まえた形でカリキュラムの項目立てが行われている。
現行の薬学教育コアカリは、基本的資質の項目を設けずに作成されており、コアカリ改訂専門委では、6年制薬学教育で求められる人材像を明確にした上でカリキュラム作成に当たるべきとの意見が出ていた。
これを受け、市川座長、日本病院薬剤師会、薬学教育協議会、日本薬学会が薬剤師に求められる基本的資質の案文を作成。医学教育のコアカリを参考に、▽薬剤師としての職責▽患者中心の視点▽コミュニケーション能力▽チーム医療▽科学力▽総合的な薬物療法の評価と実践能力▽地域医療▽薬学研究への志向▽自己研鑽――などについて、備えるべき技能や態度を示しているが、今後も継続して議論することとなっている。