
大正製薬は、「大正漢方胃腸薬」ブランドの新製品として、精神的なストレスによる胃腸症状を緩和する作用のある“四逆散”に、低下した胃腸機能を改善する作用のある“安中散”を加えた『大正漢方胃腸薬「爽和」(さわわ)』(第2類医薬品)を、今月から新発売した。近年は「心配事があって眠れない」「仕事や人間関係などがうまくいかず、イライラする」といった、ストレスによる胃の不調を訴える人が増えている。こうした背景も含め、同社では「ストレス社会の中で胃痛、胃もたれ、神経性胃炎などに優れた効果を発揮する胃腸薬として、新たな使用シーンを提案することで、市場拡大にもつなげたい」としている。
大正製薬では今回の漢方胃腸薬「爽和」の開発に当たり、胃腸症状の原因として“精神的なストレス”が挙げられていることに着目した。ストレスによる胃腸症状のある人を対象とした臨床試験を実施し、有効性と安全性を確認して、今回の発売に至ったとする。独自の製剤技術で、従来品の「大正漢方胃腸薬」と同様に、香り・風味が良く、服用しやすい製剤を実現した。
ロングセラー商品の「大正漢方胃腸薬」は“安中散+芍薬甘草湯”という処方の組み合わせで、暴飲暴食や夏バテで胃腸機能が弱っている人を主なターゲットとしてきた。服用すると胃腸が元気になり、飲食を楽しめるという胃腸薬として、多くのユーザーの支持を得ている。
今回新発売の「爽和」は、四逆散+安中散という処方の組み合わせで、仕事や家事、勉強中などに胃と心の不調を乗り切りたい、という人を主なターゲットとしている。服用すると、気持ちも爽やかになり、前向きに頑張れるという胃腸薬。
この四逆散は、サイコを中心とした4種の生薬(サイコ、キジツ、シャクヤク、カンゾウ)で構成され、古くから精神的ストレスによる胃腸症状を緩和する目的で使用されている。精神的な緊張状態をほぐす働きがあり、神経性胃炎、胃痛、腹痛などの症状を改善する処方となっている。
市場活性化も狙って、新製品のコンセプトは「気持ち爽やか、胃腸は和やか」とした。不安、不眠、イライラといった身近なストレスシーンに着目し、新たな使用シーンを提供することで、胃腸薬市場の拡大も目指していく考え。上原健常務取締役は「独自処方の組み合わせを商品化した。ヒトでの臨床データも取っている。現代の環境、特にストレス社会といった環境を背景にして出てくる胃腸症状に、より特化した商品といえる」と、期待を述べる。
剤形は顆粒と錠剤の2タイプがあり、税込み希望小売価格は、顆粒が10包998円、18包1470円、錠剤が40錠998円、72錠1470円。初年度目標額(発売日より1年間の出荷額)は、10億円とする。