MR転職支援を強くサポート‐「専門性」+「組織」が最大の武器
人材紹介の最大手「リクルートエージェント」は、昨年「プロフェッショナルサービス事業部」を立ち上げ、MRの転職支援に乗り出した。同事業部では、製薬業界に精通したコンサルタントを通じ、転職を希望するMRの経験や希望を踏まえ、内定獲得に必要な専門性の高いサポートを行う。未経験MRの求人紹介で高い実績を持つ同社だが、今後はMRの転職支援体制を強化し、リクルートグループの組織力を活用しながら、医療・メディカル専門職の転職市場で存在感を示したい考えだ。
MRを取り巻く環境は昨年6万人のMR数を突破した一方で、新薬の枯渇などの市場環境の変化、病院施設の訪問規制もあり、転換期を迎えている。製薬業界の営業現場では、専門領域で経験・スキルを持つ即戦力MRを望む声が強い。こうした背景から、主に第二新卒などを対象に、異業種からMRへの転職支援で高い実績を上げてきた同社は、経験者MRの転職を強化するため、プロフェッショナルサービス事業部を設置した。
現在、リクルートエージェントのホームページで登録したMRの転職希望者に対し、業界に精通したコンサルタントが転職相談から職務経歴書の書き方や面接の指導を行い、内定獲得をサポートしている。プロフェッショナルサービス事業部一部4グループマネージャーの栗山大治氏は、MRへの人材紹介会社の役割として、「単なる求人情報の紹介ではなく、転職希望者に対し、志望企業の内定獲得に必要な情報をいかに提供できるかがカギになる」と話す。
同事業部では、立ち上げ当初から製薬企業への情報収集を強化してきた。もともと未経験MRの転職支援で得た顧客基盤があったが、そこに各企業の専門性の高い情報を集積することで、企業がいま「求める人材」がどこにあるのかを探っている。業界動向を捉え、各企業の企業理念や経営情報、事業の方向性、社内風土までをリサーチし、転職希望者に必要な情報を提供。その成果は、コンサルタントが行う転職希望者への面接対策にも生かされており、立ち上げ2年で、MRの転職市場でのシェアを数%拡大させた。
栗山氏は、「製薬各社は、求めるMRを十分に確保できていない。われわれは、多くの製薬企業との接点を増やし各企業の採用の視点がどこにあるのかを問いかけていきたい」との方向性を示す。
メディカル・医療領域を重点領域に位置づける同社は、MRを突破口に、臨床開発職の転職もサポートする方針を打ち出す。臨床開発職については、今期150人の成約者数を見込み、来期は200人にまで拡大を目指す計画だ。「MR転職支援で培ったノウハウを、臨床開発職に広げ、メディカル・医療専門職の転職支援を強化していきたい」と栗山氏。プロフェッショナルサービス事業部の専門性と、リクルートグループの組織力を組み合わせ、サポート体制を強化していきたい考えだ。
リクルートエージェント
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