薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は5月31日、腎癌治療の新たな選択肢となるファイザーの「インライタ」など4件の承認・一変を了承した。
審議品目
▽インライタ錠1mg、同5mg(ファイザー)=新有効成分のアキシチニブを含有し、根治切除不能・転移性の腎細胞癌を効能・効果とする。血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤で、血管新生を阻害して腫瘍の増殖を抑制する。通常、成人で1回5mgを1日2回経口投与する。類薬にはネクサバールやスーテントなどがある。
海外では米承認を取得し、欧州で審査中。再審査期間は8年で、原体・製剤とも劇薬。
▽ジスロマック点滴静注用500mg、同錠250mg(ファイザー)=アジスロマイシン水和物を有効成分とするマクロライド系抗生物質で、骨盤内炎症性疾患の効能・効果を追加する。同疾患は婦人科救急でよく見られ、重症だと嘔吐で経口による服薬が困難な場合がある。
今回、点滴静注で治療を開始して様子を見て錠剤に切り換える「スイッチ療法」も認められた。
▽シムビコートタービュへイラー30吸入、同60吸入(アストラゼネカ)=吸入ステロイド剤のブデソニドと、長時間作用型吸入β2刺激剤のホルモテロールフマル酸塩水和物を配合する気管支喘息治療薬で、維持療法として定期吸入することに加え、今回、頓用が認められた。定期と頓用の両方の承認を持つのは国内初。
海外承認は97カ国で、再審査期間は4年、原体は劇薬。
▽オーキシス9μgタービュへイラー28吸入、同60吸入(アストラゼネカ)=有効成分はホルモテロールフマル酸塩水和物で、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく症状の緩和を効能・効果に追加する。
海外では約70カ国出承認されている。再審査期間は4年で、原体は劇薬。
報告品目
▽メイアクトMS小児用細粒10%(Meiji Seikaファルマ)=セフジトレンピボキシルを有効成分とするセフェム系抗生物質。肺炎・中耳炎・副鼻腔炎に対する高用量として、体重1kg当たり1回6mgまで増量可能とする用法・用量の変更を行う。