厚生労働省の2011年人口動態統計月報年計(概数)で、昨年の出生数が過去最少の105万0698人、死亡数は戦後最多の125万3463人となり、差し引き20万2765人の自然減となったことが分かった。死因では肺炎が悪性新生物、心疾患に次ぐ3位に初めて浮上した。
出生数は女性の出産年齢人口の減少を背景に前年を2万0606人下回り、人口千対率は8.3で前年から0.2ポイント低下した。
ひとりの女性が一生に産むと見込まれる子どもの数を示す「合計特殊出生率」は前年と同水準の1.39だが、小数点以下4位までだと1.3931で前年確定値をわずかに0.0058ポイント上回った。
一方、死亡は前年から5万6451人増加し、人口千対率は9.9で0.4ポイント上昇。死因はトップの悪性新生物が前年より3686人多い35万7185人で全体の28.5%を占め、次いで心疾患が19万4761人で5401人増加。悪性新生物の部位は、男性だと93年から最多の「肺」が昨年も増えて5万0767人に達した。女性では「大腸」の2万0879人、「肺」の1万9505人が多く、いずれも増加基調が続いている。
高齢化に伴って伸びていた肺炎は前年より5764人多い12万4652人となり、これまで3大死因のひとつとされてきた脳血管疾患の12万3784人を抜いた。脳血管疾患は323人の微増にとどまった。厚労省は「肺炎による死亡が低下することは考えにくい」としている。
また、東日本大震災の影響で前年は4万人程度だった不慮の事故による死亡が5万9596人に増え、老衰より多かった。