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脳発達障害のメカニズム

2007年04月09日 (月)

◆脳内神経伝達物質としてよく知られるグルタミン酸(Glu)。過剰に遊離されると神経毒性を起こすが、胎児期の脳発達にも悪影響を及ぼすことが、田中光一東京医科歯科大学教授らの研究で明らかになってきた
◆2種類のGluトランスポーターをノックアウトしたマウスの胎児期脳を観察したところ、海馬などでの層形成や、脳内の各部位をつなぐ繊維連絡に異常が認められた。Gluを神経細胞に再び取り込む機能を低下させ、細胞外Glu濃度を高めたことが、異常の引き金になったと考えられるという
◆脳の発達障害には、遺伝子異常のほか新生児仮死など環境要因も関係するが、後者の仕組みは不明だった。今回の研究により、出生前後に仮死状態に陥ることで脳虚血が生じ、その結果、細胞外Glu濃度が高まり、脳発達に影響が及ぶというメカニズムの一端が分かってきた
◆Gluの過剰な遊離に伴う脳発達障害は、自閉症だけでなく統合失調症など、各種精神疾患の発症に関わっている可能性がある。田中氏らは、自閉症の病態を表すモデルマウスの作製にも成功した。さらなる病態解明を期待したい。



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