政府は、いわゆる院内製剤の法制上の位置づけについて、法令上特段の定義はないものの、「一般に病院内において、医師の指示の下に患者に施用することを目的として製造される医薬品」との見解を示した。自民党の藤井基之参院議員の質問主意書に答えたもの。
院内製剤については、長年にわたり院内で薬剤師によって製造され、医療現場でなくてはならないものとして認知されている。その一方で、院内製剤の種類には、調剤の迅速化を図るための予製剤程度のものから、全く新たな製剤を作るものまで非常に幅広く、調製指示から方法、管理に至るまでのプロセスに、統一した指針は存在しなかった。こうした状況の中、今年に入り名古屋大学病院で、規格量よりも有効成分の少ない薬が作製され、産婦人科外来で使われていた可能性が報告されるなど、問題が顕在化してきた。そこで日本病院薬剤師会では、院内製剤の手続きや品質保証に関する初めての統一指針として「院内製剤の調製および使用に関する指針」をまとめるなど、対応を急いできた経緯がある。
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