文部科学省は、2007年度「科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者を決定した。今年度は昭和大学とヤクルト本社のグループが、新規抗癌剤塩酸イリノテカン開発で「科学技術賞」を受賞した。科学技術賞は、[1]開発[2]研究[3]科学技術振興[4]技術[5]理解増進――の5部門に分かれており、今年度はそれぞれ27件、42件、4件、15件、15件の受賞が決まった。
また、若手科学者賞、創意工夫功労者賞、創意工夫育成功労学校賞の受賞者も決まった。
主な受賞者と業績は次の通り。
◇科学技術賞
<開発部門>▽石田寅夫(鈴鹿医療科学大学):新抗白血病剤N4”ベヘノイルシトシンアラビノシドの開発▽辻野幸夫(シスメックス)ほか:血液中の幼若細胞を測定するための試薬の開発▽宮坂貞(昭和大学)、澤田誠吾(ヤクルト本社)ほか:新規抗癌剤塩酸イリノテカンの開発
<研究部門>▽井上和秀(九州大学薬学研究院):神経因性疼痛におけるATP受容体の機能に関する研究▽太田邦史(理化学研究所)、瀬尾秀宗(カイオム・バイオサイエンス):遺伝子交配を用いた抗体遺伝子創製系の研究▽寒川賢治(国立循環器病センター):グレリンの発見及び構造解明と治療応用に関する研究▽坂口志文(京都大学再生医科学研究所):制御性T細胞による新しい免疫制御法の研究▽曽我朋義(慶應義塾大学)ほか:メタボローム解析技術開発に基づくバイオマーカーの探索研究▽吉村耕一(山口大学医学部)ほか:JNK抑制による大動脈瘤薬物療法の開発に関する研究
◇若手科学者賞
▽大塚稔久(富山大学医学薬学研究部准教授):神経科学分野における神経伝達物質放出の分子構造基盤の研究▽金惠淑(岡山大学医歯薬学総合研究科):薬剤耐性に有効な新規抗マラリア薬の創製研究▽津田誠(九州大学薬学研究院):生命科学分野における疼痛発症維持機構の研究▽中津亨(京都大学薬学研究科):化学生物学分野における蛋白質機能の動的発現機構解明の研究