〈組織〉
▽グローバル品質・安全性ガバナンス体制
[1]グローバル品質保証責任体制について
信頼性保証本部からコーポレートQA部と品質保証部をエーザイデマンドチェーンシステムズ(EDCS)に、GCP監査機能を担う臨床QA室をエーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)にそれぞれ組織異動し、各部門において品質保証の実施と点検機能の独立性を維持しつつ、実行性と透明性を確保した組織体制を構築する。これに伴い、信頼性保証本部は発展的に解組する。
[2]グローバル緊急対応担当の設置
新設するEDCSクオリティCFUを管掌、チーフメディカルオフィサーを管轄すると共に、総括製造販売責任者として安全管理責任者ならびに品質保証責任者を管轄するグローバル緊急対応担当を設置する。さらに、グローバル緊急対応担当は、緊急対応委員会委員長として、国内外における品質および安全性に関する重大な事案について意思決定する。
[3]チーフメディカルオフィサーの設置およびコーポレートメディカルアフェアーズ本部の新設
癌領域製品の拡大や新製品の上市に加え、欧州のレギュレーションの変更など、社内外の環境変化に迅速かつ的確に対応するために、グローバル緊急対応担当の直下にチーフメディカルオフィサーを設置すると共に、チーフメディカルオフィサー直下にコーポレートメディカルアフェアーズ本部を新設する。
▽エーザイデマンドチェーンシステムズ(EDCS)
大グローバリゼーション時代における急速な環境変化と顧客ニーズの多様化に対応し、高品質な製品をアフォーダブルプライスで各国に安定供給することによる患者価値増大を企図し、従来の地域別製造サイトをベースにした生産活動から、グローバルな製品群別のユニット体制に転換する。
新体制は、製品ポートフォリオとテクノロジー戦略に鑑み、五つの製品領域ユニット(デマンドチェーンユニット:DCU)と二つの機能ユニット(コアファンクションユニット:CFU)で構成する。各製品領域を軸に、患者ニーズの把握に始まり、原料調達から製造、品質管理、安定供給まで透明性の高い組織運営を行い、患者満足を目指す。
さらに、これらのユニットの自律性を保ちつつ、EDCSの全体最適を保持すべく、デマンドチェーン本部を再編・強化し、戦略企画部、組織・人財管理統括部、リスクマネジメント部からなるデマンド・チェーン・ヘッド・クォーター(DCHQ)を設置する。
[1]デマンドチェーンユニット(DCU)の新設
DCUには、バイオロジクスDCU、オンコロジーDCU、ニューケミカルエンティティDCU、グローバルブランドDCU、およびステーブルブランドDCUの5つのユニットを配置し、それぞれが各担当製品群に対して真の患者ニーズをつかみ、顧客歓喜を実現する製品を届けるエンド・トゥ・エンドの責任を有する。各製品には、プロダクトチャンピオンを任命し、各プロダクトチャンピオンが担当製品に関する原料調達から、製造、包装、出荷に至るあらゆる生産活動に対するアカウンタビリティを有し、戦略の立案、決定および承認を行う。
(1)バイオロジクス(BIO)DCU
抗体医薬を中心としたバイオ製品の自社製造技術および製造機能の確立に向けて、開発段階でのスケールアップならびに初期商業生産に対応可能な施設の構築を図る。
(2)オンコロジー(ONC)DCU
ハラヴェン、レンバチニブなどの抗癌剤全般の製造を担当する。米国のノースカロライナ工場を抗癌剤の製剤製造のハブと位置づけ、注射剤および固形剤の自社抗癌剤製造機能を増強する。
(3)ニューケミカルエンティティ(NCE)DCU
新製品(抗癌剤、バイオロジクスを除く)の製造技術およびロジスティクス確立、初期商業生産を担う。商業生産の製造技術確立後は、グローバルブランドDCUもしくはステーブルブランドDCUへ技術委譲する。
(4)グローバルブランド(GB)DCU
アリセプト、パリエット、ゾネグランなどのグローバル品目についての製造責任を有する。また、アフォーダブルプライスの実現に向けた購買戦略機能を担う。
(5)ステーブルブランド(SB)DCU
ステーブルブランドDCUは、主に日本およびアジアで販売する長期収載品や薬粧品を担当する。担当製品群のさらなるデマンドイノベーションを通じて、顧客歓喜を達成する。
[2]コアファンクションユニット(CFU)の新設
CFUには、グローバルな品質保証の責任を担うクオリティCFU、および仕入品の購入や製造委託先の管理、新規導入案件の評価等を担うパートナーシップマネジメントCFUを設置し、それぞれの経験・専門性をもって各DCUの活動を支援する。
▽エーザイ・ジャパン
[1]保険薬局特命係の新設
医療における保険薬局の重要性が増す中で、保険薬局を通した患者への情報提供を強化すべく、エーザイ・ジャパンプレジデント直下に保険薬局特命係を新設し、医薬販路政策部保険薬局販路室は保険薬局特命係の直下に組織異動する。
〈人事〉
代表執行役専務総括製造販売責任者兼グローバル緊急対応担当兼PR・GR担当土屋裕、執行役チーフメディカルオフィサー兼コーポレートメディカルアフェアーズ本部長兼グローバルセーフィティボード委員長エドワード・スチュワート・ギリー
上席執行役員コーポレートメディカルアフェアーズ本部担当部長津野昌紀、上席執行役員エーザイ・ジャパン保険薬局特命係統轄部長長谷川潔、執行役員エーザイデマンドチェーンシステムズDCHQ組織・人財管理統括部長兼日本・アジアタレントマネジメント部長兼川島工園長兼川島工場長深井孝敏、執行役員エーザイデマンドチェーンシステムズバイオロジクスデマンドチェーンユニットプレジデント兼プロジェクト推進室長兼鹿島事業所長水野正則、執行役員エーザイデマンドチェーンシステムズステーブルブランドデマンドチェーンユニットプレジデント兼美里工場長藤生康彦、執行役員エーザイデマンドチェーンシステムズクオリティ機能ユニットプレジデント伊藤和也