◆イレッサとタキソテールの第III相試験は、「全生存期間に有意差なし」との結果だったことから、イレッサの市場撤退論にまで発展した。これに対し、様々な意見が出てくると思われたが、「有意差なし」だけが一人歩きしてしまった感がある
◆そんな中、国立がんセンター中央病院の国頭英夫氏は、先月の臨床腫瘍学会で「コンセプトの違う治療法を比較した異種格闘技戦だった」と喝破した。異種格闘技戦という例えはともかく、確かにイレッサとタキソテールの比較が妥当かどうかは大いに疑問だ
◆タキソテールの有用性は、既に多くの癌で証明済みである。そのことに異論はないが、イレッサの非劣性を証明するのであれば、本来はプラセボを対照としたデザインを組む必要があったのではないか
◆イレッサで重要な点は、著効を示す患者が確実に存在するという事実だ。多くの患者がイレッサを頼りにしていることも忘れてはならない
◆イレッサの効果を本当に正しく評価し、それでもイレッサが負けたならば、その結果は受け入れるべきだ。しかし、扇情的にイレッサの効果を弄ぶことは、患者に不利益をもたらすだけだということを肝に銘じたい。
“異種格闘技戦”の正当性は
2007年04月20日 (金)
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