三菱ケミカルホールディングスは、世界第2位のハードカプセルメーカー「クオリカプス」(本社:奈良県大和郡山市)を買収する。買収額は558億円で、今後必要な手続きを経て、3月末で完了する予定。クオリカプスのカプセル製造技術を獲得し、重点領域に位置づけるヘルスケア分野の事業基盤を強化する。
クオリカプスは、1965年に塩野義製薬と米イーライリリーの合弁会社として設立。2005年10月に米投資会社のカーライルに買収されて以来、グローバルでハードカプセルと製剤機械を提供している。全世界で医薬品用ハードカプセルの第2位、セルロースを基材とする植物用カプセルでは第1位に位置する。11年度の売上高は176億円、12年度は191億円を見込む。
三菱ケミカルは、クオリカプスのカプセル製造技術をグループ子会社「田辺三菱製薬」の新薬開発に役立てるほか、三菱樹脂の樹脂加工技術やAPIコーポレーションの医薬品原体・中間体事業、三菱化学の素材開発などグループ全体で相乗効果を狙う。