今月15~17日の3日間、千葉市の幕張メッセで開かれた第13回JAPANドラッグストアショー。2001年の開催以来、初めて来場者が13万人を超えるなど、盛況のうちに幕を閉じた。主催の日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)も特設コーナーを設置し、セルフメディケーション推進に向けたアピールを展開。高齢社会を迎える中でのドラッグストアの果たす機能・役割などの方向性も示された。
現在、全国的にドラッグストアと呼称される業態は拡大している。さらに、当初のヘルス&ビューティーを中心とした品揃えの豊富な店舗というスタイルから、処方箋を応需できる薬局機能を併せ持つ、いわば地域医療の入り口としての存在に進化しつつある。その意味では、既にドラッグストア業態は、生活者の日常生活に密接な位置づけにあると言っても過言ではないだろう。
先日、公表されたJACDSの12年度「日本のドラッグストア実態調査」によると、総店舗数は11年度比で320店増の1万7144店舗で、調査を開始した00年度以降、継続的に増加。また、国内ドラッグストアの総売上高は推定で5兆9408億円と11年度比で2・4%増と、全体の伸び率は鈍化傾向にありながらも継続成長していることが分かった。
これらの結果について調査報告では、日本経済全体が縮小傾向にある中で調剤分野への積極的な取り組みや食品強化、意欲的な出店がプラス要因に働いたと分析している。また、調剤、一般薬を合わせた医薬品売上高推計では、7・3%増の1兆8810億円で、一部企業の集計では調剤の伸びが著しい傾向が見られたようだ
15日に行われたJACDS調剤推進委員会からの報告によると、一般薬売上高は08年に4770億円だったものが12年に8017億円に伸長。調剤売上高も08年に1504億円から、12年には3658億円と増加した。
また、医薬品売上高のうち一般薬と調剤の売上構成比は08年には一般薬が76%だったが、12年には68・7%まで減少。これに対して調剤は08年に24%だったものが、12年には31・3%となっている実態が示された。さらに今後、一般薬市場の伸長が鈍化することで、5~7年後には調剤売上高が一般薬を上回る可能性があるとも指摘する。
ドラッグストアでの調剤が本格化する中で、JACDSの調剤推進委員会では「信頼される分業づくりキャンペーン」として、地域重視の分業推進PR作戦として、会員店向けのポスターパンフレット作成も検討するという。
今後、ドラッグストアが地域医療の入り口としての役割を果たすには、調剤はもちろん、生活習慣病対策や第1類医薬品、体外検査薬などの積極的な展開など、地域生活者に信頼される取り組みが必要不可欠な課題となろう。