服薬トレー「掌」
兵庫医療大学薬学部の前田初男教授、同大学の石崎眞紀子非常勤講師が共同で出資して設立した大学発ベンチャー「LLCオフィスカラム」は、錠剤を識別しやすいダークグレーなどで着色した服薬トレー「掌」を1日から発売した。高齢患者の残薬や服薬ミスの低減を目指して開発した。
服薬直前に、錠剤をPTPシートなどから取り出すトレーとして活用する。手のひらのように緩やかに湾曲した形状のトレーに錠剤を取り出し、目でしっかり確認して服用する。これを毎日の習慣にすることによって、薬の飲み忘れや飲み間違いの防止を支援するという。
これまでの研究によって確立した「お薬くっきり背景色」をトレーに活用したことが特徴だ。高齢者でもトレー上の錠剤を識別しやすくなる。ミディアムグレー、ダークグレーの2色がある。
トレーは縦約120mm、横85mm、高さ35mmの大きさ。磁器土を焼き上げ、社会就労センター「奈良たんぽぽの家・アートセンターHANA」の協力を得て作った。
販売価格は2500円。老人施設や在宅医療に関わる医療関係者、患者や家族を対象にネット販売から始め、販売ルートを広げていく考え。
同社は2011年に設立。錠剤の識別性を向上させるダークグレーを背景に、一包化された薬剤の鑑査業務を薬剤師が行いやすくなる「一包化調剤鑑査用シート」を凸版印刷と共同で開発し、販売している。「掌」は関連商品の第2弾となる。