コンテンツ管理製品を投入
ヴィーバジャパンは、販促資材などのコンテンツをクラウド上で管理するサービス「Veeva Vault」(ヴォルト)をスタートした。CRMとCLMをiPad上に統合させた営業支援システム「Veeva CRM」と統合させ、ボタン一つでiPad上にコンテンツの配布や回収を行えるのが特徴。さらに電子メールや医師のポータルサイトから配布する際に、コンプライアンスに逸脱がないかを自動的にチェックする仕組みを搭載した。マルチチャネル化の主翼を担う“MR+e”をコンプライアンスの観点からもサポートする。
日本市場参入からわずか2年だが、「Veeva CRM」の浸透は順調だ。現在、15社で採用されMR9000人がサービスを利用。特に外資系企業のシェアでは50%以上と急成長を遂げている。岡村崇社長は、「内資系大手でも営業生産性を重視し始めるようになっており、日本向けにエンハンスを続けている日本テンプレートをご活用いただきたい」と話す。7月の「カスタマーサミット」は、300人が出席するなど盛況だった。
昨年からMRに同行するなど、現場ニーズを把握し、機能強化に取り組んでいる。例えば、「会うべき先生リスト」をワンタップで画面に表示してMRに知らせる機能が特に好評を得ている。製品統括責任者の山崎奈雄也氏は、「医師に会いやすくするための“仕掛け”や、隙間時間に必要な情報を入力できる“使いやすさ”など、顧客の声をサービスに反映している」と話す。
情報提供がマルチチャネル化する一方で、販促資材がWebサイトやCLMソリューション、印刷物、モバイルアプリケーションなど、様々に使われるようになり、コンプライアンス管理が課題となってきた。
そこで提供を開始するのが、クラウド上でコンテンツを管理するソリューション「VeevaVault」。コンテンツ作成から校正・承認・配布・回収まで全体プロセスを管理して、信頼性保証を強化し、コンプライアンス逸脱のリスクを軽減する。これまでは手作業で処理しなければならなかったが、システム化により営業とマーケティング部門の業務負担を下げることが可能になった。
MRが医師に電子メールでコンテンツを配布する場合に、厳しいコンプライアンスが課せられているが、外出先からでも承認をもらっている医師に、承認済みの販促資材を送信できる。これにより、なかなか面談できない医師とのコンタクト回数を増やせる可能性がある。メールの文面についても、テンプレートや不適切な記載がないかをチェックする仕組みを開発し、MRが安心して使えるようにした。
来年以降には、医師のポータルサイトからのコンテンツ配布やアンケート調査を行えるようサービスを強化。医師ごとの顧客情報管理について、「Veeva CRM」とシステムを統合し、電子メールやe‐ディテーリングでのやりとりと、MRの直接訪問などを集計したコンタクト履歴から、医師の属性に応じた効果的な情報提供に役立てる。
山崎氏は、「ターゲットとする医師が、対面で情報を収集するタイプなのか、“e”で収集するタイプなのか、情報収集ニーズや処方傾向などを確認できるようにしたい」との構想を語る。
MRとITが連動した“MR+e”の実現が、マルチチャネル化した時代の情報提供を支える。岡村氏は、「50%は顧客の声を聞き、50%は業界とITのトレンドを意識して、革新的なソリューションを生み出していきたい」と意欲十分だ。
ヴィーバジャパン
http://veeva.jp/