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【インド・シプラ】日本市場への参入で着々と準備

2007年06月15日 (金)

新なぎさ氏
新なぎさ氏

 インド第2位の製薬会社であるシプラは、日本総代理店の共同インターナショナル(東京都港区)を通じ、日本市場への参入に向けて取り組みを進めている。海外事業では支社などの拠点は置かず、開発、製造、製品の供給に専念し、インド国外各地域の会社と事業提携する形で進出するという戦略をとっている。日本市場に対しても同様で、現在、ジェネリック(GE)薬の製造受託、日本への製品導出を図るため、代理店を通じて日本の複数の企業と提携交渉を進めている。製造受託の交渉は年内にもまとめ、製品導出については102年内の締結を目指している。

 共同インターナショナルが明かしたもの。シプラはGE企業として知られている。呼吸器領域に強みを持つほか、癌やエイズなどといった専門的な治療薬も手がける。インドには六つのAPI(医薬品原材料)工場、31の製剤工場がある。中核のゴア工場内には16工場があり、欧米の品質基準に合致し、抗癌剤やステロイド剤などは独立したラインを持つ。全体では約1200種類の最終製剤を扱う。2006年度売上高は8億2500万ドル。欧米含む170カ国以上に製品を輸出、「近い将来日本市場にも参入する予定」(同社資料)としていた。

 日本市場では、[1]インド国内でAPIから製剤生産まで一貫した品質管理を行うGE薬の製造受託[2]シプラが製造した新薬、GE薬の導出[3]治験薬の製造受託‐‐などの事業を目指し、代理店を通じて提携交渉を進めている。治験薬の製造受託では、日本のバイオベンチャーであるLTTバイオファーマと昨年12月にナノステロイドを製造することで合意している。

 共同インターナショナルによると、まずは製造受託から提携を進める。年内にも交渉がまとまる見通しという。一方で、シプラが製造した医薬品の日本企業へのライセンスアウトについては、領域ごとにそれぞれ強さを持つ複数の企業と提携を検討している。その時はシプラブランドではなく、日本企業のブランドになるという。102年内の提携を実現し、数年後の製品供給を目指している。

 共同インターナショナルの新なぎさ営業部長は、「戦略的に、信頼性の高い数社との間でWin-Winのビジネスを構築した方がよいと考えている」と提携方針を説明する。受託製造も製品の導出も手広く行わず、限られた会社との提携となれば、日本で一定以上のシェアや販売力を持つ企業と組むことになりそうだ。



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