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原点に返り健康拠点づくりを

2014年2月21日 (金)

 中央社会保険医療協議会は診療報酬改定案を取りまとめ、田村厚生労働大臣に答申した。保険薬局に関連した点数を大枠で言えば在宅医療、そして後発医薬品の使用促進に取り組む薬局を評価する格好といえそうだ。単純に、持ち込まれた院外処方箋を調剤を収益の柱とする薬局、いわゆる門前薬局等は大きな岐路に立たされることになる。

 在宅医療への参入は、能動的に薬局薬剤師が取り組まなければ何も始まらない。先進地区の様々な取り組みもあるが、自ずと地域医療に携わる他医療職スタッフ、さらには患者の信頼を得ている薬局、薬剤師でなければ物事も思うように進まないのが現状であろう。その意味では地域の中の薬局の存在が、医療提供施設としての信頼を本当に得ている場所なのかを今一度、振り返ってみるべきではないだろうか。

 1990年代半ばからの医薬分業の進展と共に、薬局業務が一般薬等の販売から、処方箋調剤中心にシフトした。患者からすれば、従来の顔の見える薬剤師から、調剤室の奥に隠れた薬剤師へと後退したように映ったかもしれない。当時、一般薬販売はドラッグストア等の大型量販店のセルフ販売が主流になり、零細小売業の部類に入る街の薬局では、価格的に太刀打ちできないといった背景も調剤シフトを後押しした。

 さらには、99・8%の一般薬のネット販売が可能となった規制緩和については、世論から大きな反対の声が聞かれなかったのは、なによりも医薬品購入場所としての街の薬局の存在価値が希薄だったということにほかならないのではないか。今後、原点回帰し、薬局薬剤師自らが、少なくとも店舗の周辺住民の健康拠点としての機能を果たしていくべきで、そのことが地域で信頼され、さらに生き残っていける薬局へとつながる道なのだろう。

 2014年度には厚生労働省予算として、セルフメディケーション推進のために、薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点の推進事業が全国の47都道府県全てでスタートする予定だ。予算規模は2億4000万円だが、同事業を通じて健康づくりと適切な薬物療法を推進する「健康づくり支援薬局」としての存在価値を広く一般に認知してもらうことが最も重要なポイントになるだろう。その上で、開局者自身が自ら薬局の運営の方向性を定めていく必要がある。

 さらに6月12日には、インターネット販売に関する新しい規制を盛り込んだ改正薬事法と改正薬剤師法が施行される。昨今の一般生活者はスマートフォン等IT機器の発達もあり、人を介さず、ありとあらゆる情報収集が可能で、ほとんどの商品がネット上で気軽に購入できる環境にある。その意味では、アナログ的だが、薬剤師という専門家が介在する薬局としてのアイデンティティを強く打ち出すことが肝心だ。全ての医薬品は薬剤師が関与していく、そうした心意気を持ち、医薬品を対面販売する最後の砦でもある薬局、薬剤師の今後の取り組みに大きく期待したい。




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