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日薬、“自律”助け合う組織に

2014年2月26日 (水)

 日本薬剤師会は23日の第82回臨時総会で、次期会長候補者として現職の児玉孝会長を退け、児玉氏の下で副会長を務め、現職の東京都薬剤師会会長の山本信夫氏が当選した。委任状等を含め、出席者149人(票)のうち89票を山本氏が獲得した。一方の児玉氏は60票と、新たな執行部体制への期待が“続投・継続”を上回った。

 票数について過去を振り返ると、児玉氏が初当選した2008年2月、当時の現職会長であった中西敏夫氏を90対58と30票余りの差をつけて当選した選挙と状況は重なる。このときも中西氏の4期目は叶わなかった。

 当選当初、児玉氏は薬学教育6年制の実施などを踏まえて将来ビジョンを示し、実行するための組織改革を進め、分業の完成を目指すことや、社会にアピールするための広報活動を強化する――と改革路線を協調した。

 直前まで両者拮抗説が流れる激戦であったようだが、今回の選挙も、会長の仮席を手にした山本氏によれば熾烈な選挙戦だったという。そして「組織のリニューアル」を旗印に勝利した。

 印象的だったのは総会の中で、取得した土地に定期借地を加えた190坪での日本薬剤師会館を建設という、新たな執行部提案に対し、賛成票が63票しか得られず否決されたことだ。ほぼ会長選での児玉支持票の数とも一致していた。

 さて、児玉会長6年間の中で、当初公約であった薬剤師の「将来ビジョン」を3期目の昨年4月にようやく上梓した。組織改革の一つとして学校薬剤師会を取り込み部会とし、その後は公益社団法人へと移行。副会長選挙の廃止を含め役員選任制度の改革を行ったが、その成果はいかに。

 ただ、この間、日薬支持政党の自民党が野に下り、民主党政権下で、3・11東日本大震災。その後、被災地復興に向けての薬剤師のボランティア活動が、少なくともその存在感を高め、推進してきたお薬手帳への評価などにもつながった。

 ほんの少しのプラス評価とは裏腹に、医薬品販売に関しては、実質、ネット販売の全面解禁を奪われ、一方で会員薬局の薬事法遵守の徹底は進まず、薬局・薬剤師批判、さらには分業バッシングへ。そんな負のスパイラルから脱却できず、会員はどんよりとした閉塞感を感じていたのではなかろうか。

 山本氏は所信表明で、「薬剤師が忘れ去られないよう、薬剤師自身が頑張る必要があるが、一緒にチームを組む医師会や行政、卸やメーカーと良好な関係を築かないと国民の信頼は得られない」と語った。「人を作って基礎を固め、組織のリニューアルを目指す」とも宣言。「総意」は“革新”を選んだ。

 とはいえ総会質疑は相変わらず筋違いな要求が散見される。対応する執行部も“紳士的”、会員にとって耳の痛い指摘やリーダーとしての明確なビジョンが示せていないのが現状ではないか。仲間だからこそ互いに厳しい目で、相手の自律を助け合う、そんな組織作りをお願いしたい。




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