大塚製薬社長の岩本太郎氏が9日、心不全のため急逝した。54歳だった。新社長には親会社「大塚ホールディングス」の樋口達夫社長が12日から兼務することが取締役会で決議された。樋口氏は、岩本氏が就任する08年以前に、大塚製薬社長を務めていた。
岩本氏は1994年に大塚製薬に入社。一貫して開発畑を歩み、2007年6月に大塚アメリカファーマシューティカルCEO、08年6月から社長に就いていた。
樋口社長は、大塚HDが13日に開いた決算会見で、岩本氏の死去を報告。「大塚のグローバル化を推進し、企業の中核として多大な功績を残された。故人の志がまだ道半ばだったことを思うと、ただただ悼惜の念で胸がふさがれる思いだ」と語った。
また、岩本氏が将来のリーダー人材育成に積極的に取り組んでいたことにも触れ、「21世紀の大塚の将来を明るくするという岩本氏の遺志を継ぐリーダーが、今後生まれることを確信している」と語った。
なお、葬儀は近親者のみで執り行う。「お別れの会」は決まり次第発表する予定。