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本来の「管理薬剤師」取り戻して

2015年2月27日 (金)

 日本薬剤師会の第84回臨時代議員会が何事もなく、無事終了した。従来よりもやや厳しくなったとはいえ“成熟した分業”の中、また会長候補者を選ぶ総会ではないためか、議論が白熱することもなく、平穏に2日間の総会は終わった。

 総会の冒頭、山本信夫会長は「くすりの福太郎」問題を踏まえて、あらかじめ配布された「会長演述」に「報道が事実であるならば、たとえそれが会員であったとしても、毅然とした態度で臨みます」と書き込み、改めて決意を述べた。

 その翌日の22日には、朝日新聞による小売最大手イオングループのハックドラッグに関する事案が報道された。こうなると“第3の矢”はどこに向かうのか。「次はうちか?!」と戦々恐々とした御仁もいるのではないかと、疑ってしまう悲しい状況だ。

 数年前、複数店舗の薬局経営者のミスにより患者が死亡した事故があった。管理薬剤師が当事者である経営者に確認しなかったことで、事故につながったとして、大きな責任を問われたことを思い出す。法で定められた経営者(開設者)と管理薬剤師との関係性に基づいているが、何か腑に落ちない思いも残った。

 改めて管理薬剤師による「管理」業務とは、「管理薬剤師以外の薬剤師、薬剤師以外の従業員が、適切に業務を行っているかどうか(例:接客、法令遵守、情報提供の適否)の監督」とあり、保健衛生上支障を生ずる恐れがないように、その薬局の業務について、「薬局開設者」に対し必要な意見を述べなければならない――とある。

 事実を認めたイオングループでは、連結子会社の全15社、1127店舗について過去の薬剤服用歴管理状況の自主調査を進めていくと発表。1127店舗という数字に、医療とは、およそ文化の異なる流通業界が大変な数の“医療提供施設”を運営している事実を改めて確認した。

 出店攻勢のなかで人材不足の状況に変わりはない。「入社3年」程度で店長(管理薬剤師)になる事例も少なくないとも聞く。巨大企業の“総帥”に対し、医療の心を持って、筋を貫く管理薬剤師がどれほど養成されているのか。

 「第2報」のあった総会2日目は、あらかじめ予定されたブロック代表質問の後半に続き、個々の代議員が執行部をタイムリーなテーマで自由に質す「一般質問」がされた。11人が登壇したが、“福太郎問題”等は1件のみ。分業不要論も騒がれる中での「善良な薬剤師の活動を一瞬にして貶める所業」にもかかわらず、関心の低さには一言もない。

 その一方、薬剤師の将来ビジョン、今回で打ち止めの「薬局のグランドデザイン2014」など“あるべき姿”の話題は尽きない。が、今回の事件等を見れば、絵に描いた餅。どの場面、環境でも「薬については責任を持つ」という本来の姿、文化を薬剤師自身の手で醸成し続ける具体的な行動が強く求められている。




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