アステラス製薬は、国内治験で多様な手法を用いて、モニター業務を効率化しながら、リスクに基づく品質マネジメントを行う「リスクベースドモニタリング」(RBM)の本格導入を目指している。昨年度から社内でRBMに関する検討に着手し、一部の治験では試行的導入を開始した。今年度は、実施中の治験で得られた知見から体系的にRBMを実施していくための標準プロセスを構築し、来年度には全ての臨床試験で実装していく計画だ。アステラス製薬の井筒裕之氏が13日、都内で開催された第3回DIAクリニカルオペレーション・モニタリングワークショップで発表した。
国内治験のモニタリング業務は、臨床開発モニターが治験実施施設に頻回訪問し、治験データの原資料と症例登録書(CRF)を全項目照合する100%SDVを実施するのが通例だった。RBMでは、治験実施計画書を作成する前に、疾患領域や化合物特性に応じて、治験プロセスにおける安全性や品質上のリスク指標を特定し、個別のモニタリング戦略を策定する。電話やメールなどを使って遠隔地から施設に問い合わせや依頼を行う手法を活用し、モニターの施設訪問回数や、SDVの工数を減らしながら、効率的な品質管理を実現できるメリットがある。
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