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■16成分の新薬も了承
薬事・食品衛生審議会薬事分科会は3日、自家培養表皮「ジェイス」(製造:ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)を審議し、製造販売後臨床試験の実施などの条件付きで承認を認めた。国内開発としては初の再生医療製品となる。同日はこのほか、遺伝子組み換えによる人工アルブミン、副甲状腺機能亢進症治療薬「レグパラ」(有効成分:シナカルセト塩酸塩)の2成分も審議され承認されたほか、効能追加などの一変申請を含む新薬14成分も報告・承認された。1カ月ほどで正式承認となる見通し。
「ジェイス」は、深達性II度及びIII度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上で、自家植皮が確保できない重篤な広範囲熱傷の治療に用いる。感染症のリスクが高いとされる特定生物由来製品の扱いとなる。
承認条件には、▽重症熱傷の治療に十分な知識経験のある医師により使用▽治験症例が2例のみと非常に限られていることから、製造販売後臨床試験を実施▽再審査期間が終了するまでの間、全症例を対象とした使用成績調査を実施し,有効性及び安全性に関する情報を早期に収集――することなどの五つが付された。再審査期間は7年。
また、遺伝子組み換え人工アルブミンとして承認されたのは「rHSA原液、アルビースト注25%、同5%」(三菱ウェルファーマが製造)、「rHSA原液―バイファ、アルブレック注25%、同5%」(バイファが製造)。遺伝子組み換え技術を用いたアルブミン製剤が医薬品として承認されたのは日本で初めて。
熱傷等によるアルブミンの喪失及びアルブミン合成低下による低アルブミン血症、出血性ショックに用いる。また、ピキア酵母により産生・精製された製剤であるため、ピキア酵母抗体の陽性者にはアナフィラキシー様症状のおそれがある。そのため添付文書に、投薬前に抗体価を測定することや、アレルギーの懸念について患者に説明を行うことを記載することになった。再審査期間は8年。
副甲状腺機能亢進症を効能効果とする「レグパラ錠25mg、同75mg」(キリンファーマが製造販売)も承認が認められた。維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症に用いる。有効成分はシナカルセト塩酸塩。
副甲状腺細胞表面のカルシウム受容体に直接作用するという新しい作用機序により、副甲状腺ホルモンの分泌を抑制し、血中PTH濃度を低下させる。再審査期間は8年。
また次の品目が報告、了承された。
▽EOB・プリモビスト注シリンジ(バイエル薬品が輸入):成分名はガドキセト酸ナトリウム
▽ディナゲスト錠1mg(持田製薬が製造販売):ジエノゲスト
▽レベミル注300、同フレックスペン(ノボ・ノルディスク・ファーマが製造販売):インスリンデテミル(遺伝子組み換え)
▽エラプレース点滴静注液6mg(ジェンザイム・ジャパンが製造販売):イデュルスルファーゼ(遺伝子組み換え)
▽クラリチン錠10mg、クラリチンドライシロップ1%(シェリング・プラウが製造)、クラリチンレディタブ錠10mg(同社が輸入):ロラタジン
▽サラジェン錠5mg(キッセイ薬品が製造販売):ピロカルピン塩酸塩
▽ケアロードLA錠60μg(東レが製造販売)、ベラサスLA錠60μg(科研製薬が製造販売):ベラプロストナトリウム
▽シグマート注2mg、同12mg、同48mg(中外製薬が製造):ニコランジル
▽コンサータ錠18mg、同27mg(ヤンセンファーマが製造販売):塩酸メチルフェニデート
▽アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液(大塚製薬工場が製造販売)
▽プラビックス錠25mg、同75mgサノフィ・アベンティスが製造販売):硫酸クロピドグレル
▽タルセバ錠25mg、同100mg、同150mg(中外製薬が製造販売):エルロチニブ
▽アラノンジー静注用250mg(グラクソ・スミスクラインが製造販売):ネララビン
▽沈降インフルエンザワクチン「北研」(北里研究所が製造販売)、沈降新型インフルエンザワクチン「ビケン」(阪大微生物病研究所が製造販売)
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