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目が離せない今後の医療機器動向

2007年10月19日 (金)

 医療機器というと、今はやりのPET(陽電子放出型断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像診断装置)血管造影CTなど、大型で高価な画像診断用の先進的な電子機械を連想してしまうが、医療機器のカテゴリーは幅広く、多種多様である。試薬と組み合わされた検査機器セットから、手術に用いられるメスや鉗子、日常的に多くの人が装着しているコンタクトレンズ、果ては脱脂綿類までもがその範疇に含まれ、品目数は医薬品の数十倍にも達する膨大な数である。

 10月1日に保険収載された、日本初のカプセル内視鏡はイスラエル製だ。ミサイル誘導用小型カメラ技術の転用らしいが、画像精度はもちろんのこと、患者の身体的、精神的な負担を極めて軽減するものとして、大きな期待が寄せられている。

 一方で、画像データ受信装置、画像解析ソフトを含めたシステム一式の価格が700万円(カプセルの保険償還価格は7万7200円、技術料1万7000円)になることから、全ての消化器クリニックへの導入は無理である。また、閉塞部位がある場合にはカプセルが体内に滞留する可能性があることや、画像を読影する医師のレベル標準化などの課題も指摘されている。日本での販売総代理店は、大手医薬品卸のスズケンである。

 このような医療機器開発は、本来、日本のお家芸だろう。自他共に認める日本の高い技術力をもってして、ファイバースコープなど一部を例外にすれば、なにゆえに日本発の画期的医療機器が世に出てこないのか。その背景には、臨床試験などの制度面、国を挙げての開発推進支援体制の不備など、多くの問題が複雑に絡み合っていたためである。

 遅まきながら、近年では産官学が一致団結して、日本発の医療機器開発に乗り出した。その母体となるのは、医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)である。2001年から第1期がスタートし、既に04年からの第2期も今年3月に終了したが、数々の成果が報告されており、第3期も続行されることは確実だろう。

 議長の1人である日本医療機器産業連合会(医機連)会長の和地孝氏が、「医療機器の知名度アップが最大の成果」と言うように、これまで医療機器開発や産業に対する国と一般の関心度は低かった。医療機器市民フォーラムを2年連続で開催するなどして、知名度を向上させてきた。今後、日本が開発した世界に誇れる画期的医療機器が出現してくれば、国民の関心もさらに高まってこよう。

 10月1日には日本医科器械学会が「日本医療機器学会」に改称した。同学会では、医療機器開発、生産における課題の追究や、臨床現場における医療機器の安全使用について研究していく方針だ。釘宮豊城理事長は、本紙インタビューに対して「世界に対抗できる日本発の医療機器開発を推進したい」との抱負を語った。

 本紙は17日に、釘宮氏のインタビュー記事も掲載した「メディカル版」を創刊した。「メディカル版」では主軸を薬から医療に移し、医療機器を含めて医療に関する情報を提供していく。微力ながら、医療機器産業の発展にも寄与していきたい。




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