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オミックス情報と言われる生命分子の網羅的情報を疾患の診断・治療・予後予測に活用することで、新しい“個別化予測医療”を目指す「オミックス医療研究会」が22日に設立された。研究会の会長に就任した田中博氏(東京医科歯科大学情報医科学センター長)は、「新しい疾患横断性の医学体系を確立し、生命分子ネットワーク情報に基づくオミックス医療を実現したい」と意欲を語った。
ポストゲノム時代を迎え、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム分野の分析技術は目覚ましい発展を遂げてきた。その結果、これまでに膨大なオミックス情報が集積されてきたが、臨床情報や病理病態情報との関係が不明で、最先端の成果を医療への応用に生かし切れていなかった。
研究会はそうした状況を踏まえて、オミックス情報と疾患の関係を理解するための研究を進め、オミックス医科学という新しい学問体系の確立を目指すと共に、これらに基づくオミックス医療の実現を目的として設立されたもの。集積されたオミックス情報の統合と医療分野への有効利用を通じて、個の医療・予測医療を真の意味で可能にするための活動を推進していく考えだ。
研究会では、今後の方向性として[1]オミックス情報に基づいたトランスレーショナルリサーチの方法論開発と臨床応用に向けた基礎論の構築[2]オミックス医療への情報的アプローチの体系的構築[3]疾患横断オミックスに基づく新しい臨床医学体系の創出””を掲げており、これらの学術交流を通じて、オミックス医療研究を推進していく予定にだ。
なお、研究会設立当日には、都内で「オミックス医療が拓く未来2007」シンポジウムが開催された。来年度からは、国際シンポジウム、国内研究集会を年1回ずつ開催。合わせて、学術雑誌などの発行、教育研修活動、臨床系学会との連携など、具体的な活動を本格化させていく。
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