機械化できる部分は機械化し、薬剤師にしかできない役割に注力
マキメディカルパートナーズのポラン薬局(千葉県白井市)は、北総線白井駅から徒歩1分の北口駅前ロータリーに面し、非常に利便性の良い場所に立地している。この地域は約35年前に開発された千葉ニュータウンのエリア内になるが、当時から居住する比較的高齢な世代から、近年になって転入してきたファミリー層や子育て層など比較的若い世代まで幅広い世代の人たちが生活している。近隣の医療機関も多岐にわたっており、ポラン薬局に来局する患者層も幅広い。そうした中、同薬局では2015年9月1日の開局当初から、東邦薬品のレセコン・電子薬歴一体型システム「ENI-Pharma」およびレセコン連動型POSシステム「ENI-POS」を導入。これらを含め、機械化できる部分はできるだけ機械化することで業務の効率化を図り、その分の時間を薬剤師(人)にしかできない役割・業務に割くなど薬局業務の質向上に繋げている。
ポラン薬局は現在、常勤の薬剤師は2人、非常勤の薬剤師が2人、事務職員は常勤が1人に非常勤が3人というスタッフ構成。常時、薬剤師2~3人、事務職員2人という体制で日々の業務を展開している。
1日あたりの処方箋枚数は平均で約40枚。隣接する内科・小児科がメインとなるが、ここから持ち込まれる処方箋が約65%で、その他の医療機関からの処方箋も35%にのぼる。具体的な診療科は多岐にわたっていることから、来局患者は幅広い。ポラン薬局の薬剤師でマキメディカルパートナーズ代表取締役の真木貞行氏は、「開局してから約10カ月で、まだ年間を通した傾向が見えない部分もあるが、患者様の認知も向上してきており、処方箋枚数も毎月増加してきている状況。1日平均の枚数も60枚~70枚に増えていく過程にあると思う」と分析する。
同薬局のシステム面をみると、開局当初から東邦薬品の「ENI-Pharma」および「ENI-POS」を導入している。真木氏は、「レセコンは調剤薬局にとってマストなアイテム。さらに電子薬歴も導入したいと思っていたので、レセコンと電子薬歴が一体となったシステムを探した」とし、「東邦薬品も含め数社のシステムを比較検討した」と語る。
レセコン・電子薬歴一体型システムの「ENI-Pharma」は、▽「前指導」や「後会計」に対応した画面構成▽豊富なデータベースと最新の情報発信で指導業務をサポート▽充実した薬歴入力と入力支援ツールーなど、充実した機能を備えている。こうした機能について真木氏は「実際に東邦薬品のショールームにも見学に行き、非常に優れたシステムだと感じ、導入を決めた」とする。また、「薬局の開局にあたって協力をいただいた東邦薬品への信頼感も大きかった」ことも挙げている。
レセコン・電子薬歴・POSレジが連動‐スムーズな業務展開をサポート
また真木氏は、「調剤と共にOTC医薬品も取り扱いたいと考えており、レジにはPOSレジを導入したいと思っていた。POSレジについても色々と比較検討した結果、やはり、レセコン、電子薬歴、そしてPOSレジを1つの会社のシステムで統一した方が良いと考えた」とし、東邦薬品の「ENI-POS」を導入した。実際にシステムが稼働した後は、「レセコン、電子薬歴、POSレジが連動していることで、業務が非常にスムーズに進む。一連のつながりを考えると、一つの企業のシステムで統一して良かったと思っている」と語る。
「ENI-POS」については、「非常に優れており、想像以上だった」と評価する。「ENI-POS」には、▽レセコンとPOSレジの連動により調剤会計とOTC薬や日用品の会計を同時に処理▽「ENI-Pharma」との連動において、OTC薬の購入履歴を薬歴に自動書き込みできる▽要指導医薬品・第1類医薬品・濫用等のおそれのある医薬品など、販売時に警告を表示▽OTC薬と調剤の同時会計に、相互作用のチェックーなどの特徴があるが、真木氏は「レセコンとPOSレジが連動しているので、既に当薬局での調剤のデータがある患者様の場合は、OTCを購入した時のデータが一体となって残るようになる」と説明。「同じ会社のシステムなので、双方向でデータの行き来ができることが大きなメリット」と指摘する。
この他にも同薬局では、東邦薬品の音声認識薬歴作成支援システム「ENIFvoice SP」も導入している。真木氏は薬歴の記載に関して、「できるだけ短時間で効率良く行うべき業務で、時間は短ければ短いほど良い」とし、同システムについて「マイクで話した内容がそのまま入力され、薬歴記載の時間を大幅に短縮できる」とし、その有用性を高く評価する。
対話時間が増え、双方向のコミュニケーションを実現
このように業務の効率化を図ることで生み出された時間を、ポラン薬局ではさらに有効活用している。真木氏は「東邦薬品のシステムをベースに、調剤機器や鑑査システムとも上手く連動させることで業務の効率化が図れている。そうしてできた時間は患者様との対話に割けるようになった。対話の時間が増えることで、こちら側からの一方的な話ではなく、双方向のコミュニケーションが可能となっている」と強調。「その他にも、薬歴の面で内容的に充実したものを記載できたり、あるいは職員同士で業務の工夫などについて話し合えたり、時間を有効に活用して業務の質を向上させるような取り組みができている」と語る。
ポラン薬局(東邦薬品)
https://www.tohoyk.co.jp/ja/products/enipharma_series/